パナソニックは2017年2月9日、戸建住宅向け燃料電池「エネファーム」の新製品を発表した。東京ガスと共同開発したもので、販売も東京ガスが担当する。価格は149万8000円(税別、設置工事費別)から。住宅用燃料電池の価格が150万円を下回ることは日本初だという。4月1日から発売の予定。
図 新製品の外観。左側が一体型で、右側が「バックアップ熱源機」を分離した別置型
出所 パナソニック
Ethernet端子を搭載し、インターネット経由で操作可能になった点が大きな特徴。東京ガスが2017年8月から提供を予定している「ネットワーク接続サービス」を利用することで、外出先からスマートフォンで風呂や床暖房、発電などを操作できる。加えて、エネファームで消費したガスの量や発電量、沸かしたお湯の量、光熱費などをスマートフォンで把握することもできる。
インターネットにつながったことで、遠隔地から制御ソフトウェアをアップデートすることや、故障時に遠隔地からエネファームの状態を把握できるようにもなった。ネットワーク接続サービスを利用するには東京ガスに申し込みが必要。東京ガスと都市ガス供給契約をしている世帯は、2020年3月までネットワーク接続サービスを無料で利用できる。
もう1つ大きな特徴として、停電時の動作期間を延ばしたことが挙げられる。従来品は停電した後最長で4日間連続で発電できるが、新製品では8日間連続で発電できるようになった。また、従来品は停電時にエネファームが停止している場合、別売りのオプションを使わなければ起動させることができなかったが、新製品では市販の蓄電池や発電機からの交流100V電源で起動できるようにした。ちなみに、停電時の機能を改良した機種は価格が159万8000円(税別、設置工事費別)となる。
中枢となる燃料電池スタックも改良した。改良によって燃料電池の使用期間を7万時間から9万時間に延長することができた。また、従来品では発電性能を保つために連続発電時間を22時間までに制限していたが、これを120時間までに延長した。さらに、従来品では1日に1回しか起動できなかったところを、1日2回起動できるように改良した。