パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は2018年3月13日、中国遼寧省大連に開設していた車載用リチウムイオン蓄電池生産拠点で量産出荷を開始したと発表した。同社はこの拠点を2017年4月に完成させていた(参考記事)。そしてこの工場は、同社が中国に開設した初めてのリチウムイオン蓄電池生産拠点だ。
図 パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社が大連に開設した車載用リチウムイオン蓄電池生産拠点
出所 パナソニック
この工場は、2016年2月に大連遼無二電器有限会社と共同で設立した合弁会社「パナソニック オートモーティブエナジー大連有限会社」が運営している。生産しているのは、車載用リチウムイオン蓄電池の中でも蓄電容量と出力が大きい角型セル。出荷先は北米市場と、環境規制でプラグインハイブリッド車(PHEV)や電気自動車の需要が急速に高まっている中国市場だ。
中国や北米に限らず、CO2を排出しない「ゼロ・エミッション車」の需要は世界的に高まっている。今後は他の地域でもリチウムイオン蓄電池セルの需要は高まるだろう。
パナソニック オートモーティブ&インダストリアルシステムズ社は、これまでにも車載用リチウムイオン蓄電池の需要増加に応えて、増産体制を作っている。2017年1月にはTeslaが建築した超大規模リチウムイオン蓄電池製造工場「ギガファクトリー」で蓄電池セルの生産を開始し(参考記事)、2017年9月にはパナソニック液晶ディスプレイ株式会社の姫路工場(兵庫県姫路市)で、車載用リチウムイオン蓄電池の生産を始めると発表し、2019年の生産開始を目指して生産設備の導入を進めている(参考記事)。同社は今後、日本・アメリカ・中国の3拠点で車載用リチウムイオン蓄電池の世界的な需要に応えるとしている。