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ため池に浮かべるメガソーラー、香川県さぬき市で建設開始

2017/02/24
(金)
SmartGridニューズレター編集部

日本アジア投資は、香川県さぬき市のため池の水面に大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を始めたと発表した。

日本アジア投資は2017年2月20日、香川県さぬき市のため池の水面に大規模太陽光発電所(メガソーラー)の建設を始めたと発表した。建設地となるため池はさぬき市寒川町石田東(さんがわまちいしだひがし)にある「御田神辺(みたかべ)池」。水面に浮くフロート架台を設置して、その上に太陽光発電モジュールを並べる。発電所の名称は「御田神辺池ソーラー発電所」となる。地元の水利組合と利用契約を結んで事業を展開する。

図 メガソーラー建設前の御田神辺池。排水して底面が見えている

図 メガソーラー建設前の御田神辺池。排水して底面が見えている

出所 日本アジア投資

総工費は約5億円。このうち85%を香川銀行からのプロジェクトファイナンスで調達し、残りの15%は日本アジア投資が用意した。日本アジア投資自身も出資したほか、複数の投資家から投資を募って、およそ7500万円を調達した。

ため池の水面にメガソーラーを浮かべる理由として、日本アジア投資は2点挙げた。まず、整地が必要ないという点。陸地に太陽光発電所を建設するには、地面の凹凸を均すために整地が必要だが、水面に浮かべるのでこの作業が必要なくなり、工事にかかるコストを削減できる。

もう1点は日照時間。ため池は農業用水を貯めるために作るもので、雨が少ない地域に作ることが多い。つまり、ため池があるということは、その周辺の土地は雨が少なく、日照時間が長くなると期待できるのだ。

設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)は、日本リーテックが担当する。太陽光発電モジュールは中国Jinko Solarの製品を、パワーコンディショナーは中国Sungrow Power Supplyの製品を使用する。水面に浮かべるフロート架台は三井住友建設の製品を採用した。

設置工事の際にはまず御田神辺池の水をすべて排水し、底面を露出させる。この状態で、フロート架台をつなぎとめるアンカーを底面に打ち込む。後は水を入れて、フロート架台を並べて太陽光発電モジュールを設置していく。設置枚数は5175枚。2017年8月に稼働開始の予定だ。

最大出力は約1.52MW(約1520kW)で、日本アジア投資は年間発電量を約1870MWh(約187万kWh)と予想している。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して全量を四国電力に売電する。売電単価は1kWh当たり32円(税別)。


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日本アジア投資

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