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日本アジア投資、香川県のため池に建設した水上メガソーラーが運転開始

2018/08/21
(火)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

日本アジア投資は、香川県さぬき市で建設していた水上太陽光発電所(水上メガソーラー)「東王田(ひがしおうだ)池ソーラー発電所」が完成し、売電を開始したと発表した。

日本アジア投資は2018年8月17日、香川県さぬき市で建設していた水上太陽光発電所(水上メガソーラー)「東王田(ひがしおうだ)池ソーラー発電所」が完成し、売電を開始したと発表した。このメガソーラーは、さぬき市中西部にあるため池「東王田池」の水上に太陽光発電モジュールを浮かべたものだ。この水上メガソーラーは、日本アジア投資にとって4件目になるという。

図 東王田池ソーラー発電所の全体像

図 東王田池ソーラー発電所の全体像

出所 日本アジア投資

日本アジア投資によると、メガソーラーをため池に浮かべることでいくつかの大きなメリットを得られるという。まず、地面の凸凹を均す整地作業が不要なため、工事にかかるコストを圧縮でき、工期も短くなる。そして、ため池は雨が少ない地域に作るものだ。その水上に作るメガソーラーは、年間を通して気候が良好で日照時間が長くなり稼働率が高まる。さらに、ため池の水面のすぐ上に太陽光発電モジュールやケーブルなどの設備を設置するため、水面からの冷気で設備を冷却でき、性能低下を防げる。

東王田池ソーラー発電所の設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)は京セラソーラーコーポレーションが担当し、太陽光発電モジュールは京セラの製品を使用した。設置枚数は合計で9020枚。モジュールを浮かべる「フロート架台」にはフランスCiel Terre(シエル・テール)の製品を採用した。

このメガソーラーの最大出力は2.4MW(2400kW)。日本アジア投資は年間発電量を約3GWh(約301万kWh)と見積もっている。日本の一般世帯の年間電力消費量にすると、およそ680世帯分に相当する。設備利用率を計算すると約14.3%と、日本のメガソーラーとしては高い値となる。

発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して、全量を四国電力に売電する。売電単価は1kWh当たり36円。日本アジア投資によると、売電単価30円台でメガソーラー建設の認可を得て、建設と運営のパートナーを探している企業はまだあるという。当面はすでに認可を受けているパートナーと協力して売電単価30円台のメガソーラーの建設を進める。その後は、固定価格買取制度に依存せず、メガソーラーで発電した電力を企業に長期契約で供給する事業も視野に入れているという。


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日本アジア投資

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