インプレスは2017年3月15日、『IoT時代の次世代無線通信規格LPWAの全貌』を発売しました。現在、センサー端末などIoTデバイスの数が増え始めています。この数は2020年ごろには250億〜500億にもなるとの予想もあります。このIoTデバイスに向けた無線通信技術として注目を集めているのがLPWA(Low Power Wide Area)と呼ぶ一連の通信方式です。
IoTデバイスの送信データ量や通信頻度を考えて通信速度をごく低く抑え、その分少ない電力で長距離の無線通信を可能にし(Low Power Wide Area)、なおかつ通信機器の開発製造コストも抑えられるという点がLPWAに共通する特徴です。
LPWAは大きく2種類に分けられます。1つ目は携帯電話の通信方式であるLTEを基にした「セルラー系LPWA」で、もう1つが通信免許不要な920MHz帯で通信する「非セルラー系LPWA」です。どちらも世界的に注目を集めていますが、現在のところ非セルラー系LPWAが先行して普及が始まっています。非セルラー系LPWAである「SIGFOX」や「LoRaWAN」は世界的に普及し、多くの利用者を抱えるようになりました。
日本でも2017年2月27日から京セラコミュニケーションシステムがSIGFOXの商用サービスの提供を開始し、LoRaWANについてもソラコムやKDDIが通信機器を提供するサービスを開始し、他社も追随する動きを見せています。さらに、大手携帯電話通信事業者3社は、2017年中にセルラー系LPWAの商用サービスの提供を始めるべく、実証実験などに取り組んでいます。
本書では、世界的に活発に動いており、日本でも今年から動き始めるLPWAの市場動向と、各通信方式の標準化の動向を中心に解説しています。第1章では各種LPWAの特徴を比較しながら、LPWAの全体像を読み解きます。
第2章ではセルラー系LPWAの中から「eMTC」と「NB-IoT」を取り上げ、それぞれの標準化の動きについて最新動向もまじえて解説しています。さらにこの章では、セルラー系LPWAと非セルラー系LPWAの「相補関係」と「競合関係」という相反する関係に着目し、明確になりつつあるそれぞれの市場の動向、それぞれの方式の事例や具体的活用例など解説をまじえて紹介しています。
第3章では、LPWAサービスの世界市場の動向調査の結果について説明しています。加えて、世界の通信事業者の取り組みや、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクのそれぞれのLPWA戦略について解説しています。
第4章では、京セラコミュニケーションシステムが日本で商用サービスを開始したSIGFOXについて、その技術的特徴や適合する分野、サービスの内容について解説。さらに、京セラコミュニケーションシステムがSIGFOX通信サービスを軸に、どのようなビジネスモデルを考えているのかを読み解きます。
第5章では非セルラー系LPWAの中でもオープンな方式である「LoRaWAN」について、ネットワーク構成を解説し、導入事例を紹介します。さらに、規格策定の最新動向を紹介し、通信の仕組みやセキュリティについても解説します。
最終章となる第6章では、IEEE(アメリカ電気電子学会)が標準規格を策定した非セルラー系LPWA「IEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLow)」の実像に迫ります。Wi-Fi HaLowは2016年12月に標準化が完了したばかりの最新規格であり、その名が示すとおりWi-Fi(無線LAN)の通信方式を基にしたものです。Wi-Fi HaLowの標準規格と最新動向を見ながら、通信距離およそ100mのWi-Fiを基にして、どのように通信距離を1kmまで拡大したのか、どのように消費電力量を抑えたのかを解説していきます。
IoT時代の次世代無線通信規格LPWAの全貌
インプレスSmartGridニューズレター編集部 著
A4判 178ページ 2017年3月15日発売
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CD(PDF)版 85,000円+税
CD(PDF)+冊子版 95,000円+税
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