大手旅行業者エイチ・アイ・エスは2017年4月14日、再生可能エネルギーを活用した発電事業に参入すると発表した。3月に設立していた子会社「H.I.S SUPER電力株式会社」がこの事業を担当する。エイチ・アイ・エスはこの子会社の株式の66%を保有し、ハウステンボスが残りの34%を保有する。エイチ・アイ・エスは「HTBエナジー株式会社」を設立し、2016年4月の電力自由化に合わせて電力小売業に参入しているが、発電事業を手がけるのは初めてとなる。
再生可能エネルギーによる発電事業に参入する理由として、現時点での日本の再生可能エネルギー利用率の低さと、政府が掲げている「2030年に再生可能エネルギー比率を24%に」という目標を挙げている。現時点での水準と目標を比較すると新規参入の余地があることは明確だ。エイチ・アイ・エスはさらに、収益も確保できる事業と判断し、参入を決めた。
新規参入の発表に合わせて、最初に手がける事業がバイオマス発電所の建設であることも明かした。宮城県角田市(かくだし)に2万160m2の用地を確保済みだ。ここにパーム油を燃料とするバイオマス発電所を建設する。最大出力は約41MW(4万1100kW)となる予定。エイチ・アイ・エスは年間発電量をおよそ350GWh(3億5000万kWh)と見込んでいる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して全量を東北電力に売電する。売電単価は1kWhあたり24円(税別)。
図 H.I.S SUPER電力がバイオマス発電所を建設する角田市の位置
出所 角田市医師会
エイチ・アイ・エスはこの発電所の建設におよそ90億円を投資するというが、発電所が計画通りに発電すれば年間でおよそ84億円の収入を得られる。1年と少しで回収できる計算だ。これから用地造成、発電所の基本設計を始め、2019年7月には営業運転を開始する予定となっている。
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エイチ・アイ・エス