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世界で初めて出力8MWの風力発電機を採用、リバプール湾で巨大洋上風力発電所が稼働開始

2017/05/19
(金)
SmartGridニューズレター編集部

DONG Energy社は、建設中だった巨大風力発電所「Burbo Bank Extension Offshore Windfarm」が完成し、商業運転を開始したと発表した。

デンマークDONG Energy社は2017年5月17日(英国時間)、イングランド、リバプール湾に建設中だった巨大風力発電所「Burbo Bank Extension Offshore Windfarm」が完成し、商業運転を開始したと発表した。Burbo Bank Extension Offshore WindfarmにはDONG Energy社が50%出資しているほか、デンマークの年金基金PKAが25%、デンマークKIRKBI社が25%出資している。ちなみに、KIRKBI社はおもちゃの「レゴブロック」で世界的に有名なデンマークLEGO Groupの親会社だ。

Burbo Bank Extension Offshore Windfarmでは、およそ40km2の広大な海域に32基の風力発電設備を建設した。風力発電設備は、デンマークMHI Vestas Offshore Wind社の「V164-8.0MW」を使用した。1基当たりの最大出力は8MW(8000kW)で、32基合計すると出力は258MW(25万8000kW)となる。ちなみに、MHI Vestas Offshore Wind社は日本の三菱重工業と、デンマークVestas Wind Systemsが折半出資して設立した会社。V164-8.0MWは、MHI Vestas Offshore Wind社の製品の中でも最高の性能を誇るもので、これを発電所に使用するのは今回が始めてだという。

図 商業運転が始まった「Burbo Bank Extension Offshore Windfarm」

図 商業運転が始まった「Burbo Bank Extension Offshore Windfarm」

出所 DONG Energy社

年間発電量は、イギリスの一般世帯の年間電力消費量にして23万世帯分を超えるという。イギリス政府のガス・電力市場管理局(Office of Gas and Electricity Markets:OFGEM)の調べによると、イギリスの一般世帯の年間電力消費量は平均で3300kWh。単純に換算すれば、Burbo Bank Extension Offshore Windfarmは年間で759GWh(7億5900万kWh)以上ということになる。

Burbo Bank Extension Offshore Windfarmは、その名が示す通り「Burbo Bank Offshore Windfarm」を拡張するような形で建設したものだ。Burbo Bank Offshore Windfarmの東側に隣接するように建設した。Burbo Bank Offshore Windfarmは2007年に商業運転が始まった大規模風力発電所で、Dong Energy社が運営している。

Dong Energy社のCEOであるHenrik Poulsen氏は、「Burbo Bank Offshore WindfarmにはドイツSiemens社の風力発電設備を採用した。1基当たりの出力は3.6MW(3600kW)だ。あれから10年も経たないうちに、1基当たりの出力が倍以上(8MW)にもなる設備を使うことになるとは。技術が進化する速度には驚くべきものがあるね。この勢いで技術開発を進めていけば、消費者により安価に電力を供給できるようになるだろう。そして、洋上風力発電の技術を世界中に広めていけるはずだ」と今後に向けた意気込みを語った。


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DONG Energy

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