電源開発(Jパワー)は2018年9月6日、日本における浮体式洋上風力発電の事業化を目的に、フランスENGIEと協業すると発表した。ENGIEは世界的なエネルギー企業であり、天然ガスだけでなく、再生可能エネルギーによる発電にも積極的に取り組んでいる。最近は、浮体式洋上風力発電事業も推進しており、三菱商事や千代田化工建設などと共同でポルトガル北部から西に20kmの海域に浮体式洋上風力発電所の建設を進めている。この発電所では、アメリカPrinciple Powerが開発した浮体を使用しており、2018年内の運転開始の予定だ。
図 Principle Powerが開発した浮体と、その上に設置した洋上風力発電設備
出所 Principle Power
Jパワーは、2018年4月に、2025年度までに再生可能エネルギー発電所を発電出力合計にして1TW(100万kW)分を新たに建設する目標を掲げている。一方ENGIEはヨーロッパにおける洋上風力発電などの経験を活かして、日本などアジア地域での事業拡大を目指している。そこで両社は日本で、浮体式洋上風力発電の事業化を狙って協業することになった。
日本周辺には水深が深い海域が多く、洋上風力発電設備の基礎を建設しやすい水深が浅い海域が少ない。そこで、基礎を海底に建設せず、海上に浮かせる浮体式洋上風力発電に期待が集まっている。浮体式洋上風力発電は世界的にもまだ実用化した例が少ないが、JパワーはENGIEと共同研究に取り組み、ENGIEがヨーロッパで得た知見を日本での事業化に活かしたいと考えている。
さらにJパワーとENGIEは今後、日本に限らず、ヨーロッパなど世界各地で、さまざまな分野で協業を進めるために協議するとしている。
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