神奈川県川崎市は2018年9月18日、廃棄物発電による電力をごみ収集電気自動車(EV)に充電する「エネルギー循環型ごみ収集システム」の運用を2019年2月から始めると発表した。浮島処理センター(川崎区浮島町)にある廃棄物発電の仕組み(発電出力は12.5MW)を利用し、その電力を蓄電池に充電する「電池ステーション」を新たに建設する。電池ステーションの建設はJFEエンジニアリングが受注した。
図 ごみ収集EV(手前)と電池ステーション(奥)のイメージ
出所 JFEエンジニアリング
電池ステーションの建設に合わせてごみ収集EVを2台導入する。この車両は「南部生活環境事業所」(川崎区塩浜)に配置し、川崎区のごみ収集に活用する予定だ。そしてこのごみ収集EVには、電源であるリチウムイオン蓄電池を取り外して交換できるものを採用する。
電池ステーションに蓄電池のみを配置して充電しておき、車両がやってきたら充電済みの蓄電池と交換する。1回の交換にかかる時間はおよそ3分になるという。この仕組みなら、EVの「充電に時間がかかる」という短所を解消できる。災害時には、車両に蓄電池を載せて市庁舎や災害対策拠点、避難所などに充電済みの蓄電池を配布し、非常用電源として利用できるようにする予定だ。
図 ごみ収集EVと電池ステーションの運用イメージ。災害時(右)は、充電済みの蓄電池を災害対策拠点などに配布する
出所 JFEエンジニアリング
川崎市とJFEエンジニアリングは、2016年3月から1年間かけて浮島処理センターで発電した電力を利用して、今回建設するシステムの実証試験を実施し、実用化に向けて検討してきたという。
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JFEエンジニアリング