アメリカNEC Energy Solutionsは2018年9月28日、アメリカの蓄電サービス事業者であるKey Capture Energyから出力20MW(2万kW)の大型蓄電システムを受注したと発表した。NEC Energy Solutions社はNECの100%子会社で、マサチューセッツ州ウェストボローに本社を置いている。
今回受注した蓄電池システムは、ニューヨーク州サラトガ郡に設置する予定で、ニューヨーク州では最大規模の蓄電システムとなる。納品するシステムはNEC Energy Solutionsの「GRID STORAGE SOLUTION(GSS)」。GSSは蓄電池システムとして必要なものを物流コンテナに詰め込んだもので、詰め込む蓄電池の容量と種類を顧客が指定すれば工場ですぐに製造を開始し、短期間で完成する。システムの完成品を設置地点に持ち込むため、現地での工事の工数を大幅に減らせる。その結果、短期間で本格運転を始めることが可能になる。
図 NEC Energy Solutionsの「GRID STORAGE SOLUTION(GSS)」。物流コンテナに蓄電池システムとして必要なものを詰め込んで出荷する
出所 NEC
ニューヨーク州は2030年までに供給電力量の50%を再生可能エネルギー電力に転換する計画を進めている。しかし、太陽光や風力などの再生可能エネルギーで発電した電力は天候や時間帯などの要素によって発電量が大きく変動する不安定な電源だ。今回、蓄電システムを発注したKey Capture Energyは、この蓄電システムを活用して電力系統の送電周波数や電圧の乱れを抑える周波数調整サービスを提供する予定だ。蓄電システムは2019年内に稼働開始の予定となっている。
NEC Energy Solutionsにとって今回の受注は、ニューヨーク州で初めての受注になったという。今後はアメリカ東海岸を中心に、アメリカ全土に蓄電システムを売り込む構えを見せている。