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NECの蓄電池子会社がスイス最大の蓄電池システムを受注、2018年初旬に稼働開始の予定

2017/09/08
(金)
SmartGridニューズレター編集部

アメリカNEC Energy Solutions社は、スイスElektrizitätswerke des Kantons Zürich社から、大型蓄電システム構築工事を受注したと発表した。

アメリカNEC Energy Solutions社は2017年9月7日、スイスの大手配電業者であるElektrizitätswerke des Kantons Zürich(EKZ)社から、大型蓄電システム構築工事を受注したと発表した。NEC Energy Solutions社はNECの100%子会社で、マサチューセッツ州ウェストボローに本社を置いている。NEC Energy Solutions社にとって、今回の受注はスイスでの初の受注となるという。

今回は、NEC Energy Solutions社の「GRID STORAGE SOLUTION(GSS)」を利用して大型蓄電池システムを構築する。GSSは蓄電池システムとして必要なものを物流コンテナに詰め込んだもので、詰め込む蓄電池の容量と種類を顧客が指定すればすぐに製造に入る。工場でコンテナ内の設備をすべて設置、配線、組み立てを済ませてから現地に運び込むので、現地での工事期間を短縮できるという利点がある。今回はリチウムイオン蓄電池を使用した出力18MW(1万8000kW)、蓄電容量7.5MWh(7500kWh)のシステムを受注した。完成すれば、スイスで最大の蓄電システムになるという。

図 NEC Energy Solutions社の「GRID STORAGE SOLUTION(GSS)」。物流コンテナに蓄電池システムとして必要なものを詰め込む(上)。下は実際に現場に設置したGSS

図 NEC Energy Solutions社の「GRID STORAGE SOLUTION(GSS)」。物流コンテナに蓄電池システムとして必要なものを詰め込む(上)。下は実際に現場に設置したGSS

出所 NEC、NEC Energy Solutions社

蓄電池システムはチューリッヒ近郊のVolketswil(フォルケッツヴィール)の変電所に設置する。EKZ社は、蓄電池システムが完成して運転が始まったら、それを活用して電力系統の交流周波数を安定させる「周波数調整サービス」を提供するとしている。これは、交流周波数の乱れを検知し、障害が発生する前に蓄電池から放電することで周波数を安定させるサービスだ。


■リンク
NEC
NEC Energy Solutions社

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