2015年9月30日、ニチコン株式会社(以下:ニチコン、京都市中京区、代表取締役社長:吉田茂雄)は、蓄電システムやV2H(ビークル・トゥ・ホーム、EV用パワーコンディショナー)などの環境対応型商品に関して、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下:日本IBM、東京都中央区、代表取締役社長執行役員:ポール与那嶺 )のIoTソリューションを活用して機器からのデータを活用できるようIoT化し、見守りや保守、太陽光発電システムの出力抑制に応じた外部制御を実施することを発表した。
日本IBMは、ニチコンの環境対応型商品のリモコン機器から積算電力量や電池残量、通電稼働時間などのデータを収集し、分析・異常検知・通知等の機能およびAPIを提供する。
ニチコンは、まず、2015年度から発売する家庭用蓄電システム(ESS-U2シリーズ)に機能実装し、2015年7月からIBMのクラウドとの接続・テスト運用を開始した。また、将来、新電力会社などが運営するDR(デマンド・レスポンス)、さらにはビッグデータの利活用などへの対応を予定する。
◆家庭用蓄電システム(ESS-U2シリーズ)の特長
写真1 製品イメージ
- コンパクトな筐体に12kWhの大容量リチウムイオン蓄電池を搭載
- 温度特性に優れた新開発セルによって北海道の寒冷地への設置が可能
(設置温度:-30℃~+40℃、運転温度:-20℃~+40℃) - 屋外設置でも15年の長期保証を実現
同システムのネットワーク機能の特長は、従来の太陽光発電や蓄電システムでは、HEMSのホームゲートウェイを介してサーバ接続する事例が多かったのに対して、HEMSを経由しなくてもリモコンから直接ネットワーク接続できることである。接続方法も、有線LAN、無線LAN、3G回線など、最適なユーザー環境で接続して見守りサービスを開始できる。また、機器の運転データ、寿命データを定期的にサーバに転送して分析することで、エラーへの迅速な対応や長期保証を担保するとともに、機能向上や品質向上を実現する機器のファームウェアのダウンロードも可能となる。
写真2 ネットワークのイメージ
2016年4月に予定されている電力小売完全自由化以降に想定される、新電力会社からのDRを使った新たなサービスが実施される場合も後から制御ソフトウェアをダウンロードすることで対応可能とし、ビッグデータの利活用も日本IBMの高度なセキュリティ・レベルで管理する。
また、IBMのプラットフォームを活用することにより、海外展開でのサポートや、長期にわたる最適運用が可能になる。