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「ギガファクトリー」が稼働開始、2018年には年間生産量が35GWhに

2017/01/11
(水)
SmartGridニューズレター編集部

Tesla Motorsは、ネバダ州スパークス郊外に建設中だったリチウムイオン蓄電池生産工場「ギガファクトリー」が一部完成し、パナソニックと共同で生産を始めたと発表した。

Tesla Motorsは2017年1月4日(現地時間)、ネバダ州スパークス郊外に建設中だったリチウムイオン蓄電池生産工場「ギガファクトリー」が一部完成し、パナソニックと共同で生産を始めたと発表した。検証目的の生産は2016年12月に開始していたが、4日から本格的にTesla Motorsの定置型蓄電池ユニット「Power Wall 2」と「Power Pack 2」に向けた蓄電池の生産が始まった。

ギガファクトリーの土地と建物はTesla Motorsが用意したもので、パナソニックはそこにリチウムイオン蓄電池生産に必要な設備、機械、工具などを用意してリチウムイオン蓄電池の「セル」を生産する。Tesla Motorsはセルの供給を受けて、モジュールやパックを生産する。

図 「ギガファクトリー」の全景

図 「ギガファクトリー」の全景

出所 Tesla Motors

ギガファクトリーでパナソニックが生産するリチウムイオン蓄電池セルは「2170セル」と呼ぶもの。直径21mm、高さ70mmの円筒形電池だ。2170セルはパナソニックがTesla Motors向けに開発したもので、それまでは「18650セル」と呼ぶ直径18mm、高さ65mmの電池をTesla Motorsに供給していた。

この工場でのリチウムイオン蓄電池セルの生産量は、2018年までに年間35GWhに達する見込み。これは、生産した蓄電池の蓄電容量を合計した値であり、ギガファクトリーを除く全世界のリチウムイオン蓄電池セル工場での生産量の総量とほぼ同量になる。

現時点で、ギガファクトリーに建設した工場の敷地面積は17.6万m2を超えており、延床面積は45.5万m2に達する。かなり大きな規模だが、これでもギガファクトリーで建設を予定している工場の30%が完成したにすぎないという。Tesla Motorsはギガファクトリーが完成すると、世界最大の敷地面積を誇る建物になるとしている。

Tesla Motorsはギガファクトリーが稼働することで、リチウムイオン蓄電池セルの価格が大幅に下がるとしている。1カ所で生産することで、生産効率が上がるだけでなく、大規模に生産することで、スケールメリットが得られるからだ。

コストが下がったリチウムイオン蓄電池セルを利用してTesla Motorsが発売を予定しているのが、電気自動車「Model 3」だ。Model 3はこれまでTesla Motorsが発売してきた高級車ではなく、普及価格帯で売り出す電気自動車だ。価格は3万5000ドルから。日本円にすると400万円程度となる(1月11日時点のレートで計算、実際の日本での販売価格には、輸送コストなど諸経費が加算となる)。満充電状態で走行できる距離は345kmとなる予定。ちなみに日産自動車のLEAFは320万円程度で、280km走行できる。

図 Tesla Motorsが発売を予定している「Model 3」

図 Tesla Motorsが発売を予定している「Model 3」

出所 Tesla Motors

Model 3の生産開始は2017年の中頃の予定。ギガファクトリーではそれに合わせて、2017年の第2四半期からModel 3向けのセルの生産を開始する。


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Tesla Motors

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