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マンションのヒートポンプ稼働時間を分散してピークカット、ファミリーネット・ジャパンが開発

2017/05/26
(金)
SmartGridニューズレター編集部

ファミリーネット・ジャパンは、マンションの各世帯にあるヒートポンプの稼働時間を遠隔操作で分散させる技術を開発すると発表した。

ファミリーネット・ジャパンは2017年5月24日、マンションの各世帯にあるヒートポンプ「エコキュート」の稼働時間を遠隔操作で分散させる技術を開発すると発表した。生活パターンが似ている世帯のグループをいくつか作り、グループごとにエコキュートの稼働時間を分散させるように制御する。高圧一括受電サービスを導入しているマンションを対象としたもので、エコキュートの稼働時間が集中してマンション全体の消費電力のピークが上昇してしまうことを防ぐ狙いがある。

このサービスでは、各世帯のエコキュートの稼動状態を示すデータを収集することから始める。データは個々のエコキュートから、マンション全体の電力使用量を管理する「MEMS(Mansion Energy Management System)」に集約する。この際の通信には、ECHONET Liteを利用する。

図 個々のエコキュートからECHONET Liteでデータを集め、グループを作る

図 個々のエコキュートからECHONET Liteでデータを集め、グループを作る

出所 ファミリーネット・ジャパン

MEMSは集積したデータを30分ごとに、ファミリーネット・ジャパンが管理するサーバーに送信する。ファミリーネット・ジャパンは、受信したデータを分析し、生活パターンが似ている世帯のグループをいくつか設定する。グループの構成は、エコキュートの使用状況の変化によって変更することも検討しているという。

グループ分けができたら、グループごとのエコキュート稼働時間を分散させるように制御し、マンション全体の時間ごとに電力需要を平準化し、電力需要が集中してしまうことを防ぐ。このサービスで削減できた電気料金は、マンション全体で使用する防災用具の更新費用や、マンションでのイベント開催費用に充てることで入居者に還元する。

図 グループ単位でエコキュートの稼働時間を分散させて(右)、電力需要の集中(左)を防ぐ

図 グループ単位でエコキュートの稼働時間を分散させて(右)、電力需要の集中(左)を防ぐ

出所 ファミリーネット・ジャパン

ファミリーネット・ジャパンはこのサービスを大和ハウス工業と共同で開発するとしている。大和ハウス工業の総合技術研究所が保有する、戸建住宅に設置したエコキュートの稼動状態を示すデータや、遠隔操作の効果を示すデータを活用するという。これらのデータにファミリーネット・ジャパンが蓄積した電力消費量のデータを組み合せて分析することで、電力使用量を平準化する方法を探るとしている。

また、サービスが完成したら大和ハウス工業が提供するマンションサービス「D's エネルギープラン」に組み込んで提供するとしている。D's エネルギープランは、高圧一括受電サービスに、世帯ごとの電力使用量を表示するサービス、さらにインターネット接続環境を組み合せたサービスだ。

さらにファミリーネット・ジャパンは、このサービスを基に戸建住宅向けサービスを開発し、大和ハウス工業が開発販売する戸建分譲住宅に導入することも検討しているという。


■リンク
ファミリーネット・ジャパン

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