JFEエンジニアリングは2018年2月9日、同社の100%子会社であるドイツStandardkessel Baumgarte(SBG)がスコットランドで廃棄物焼却発電プラントを受注したと発表した。同社はイングランド南端の都市プリマスに廃棄物焼却発電プラントを建設した実績があり、このプラントが高い効率で稼働していることから設計、建設、試運転まで一括で受注した。ドイツのエネルギー企業MVV Energieが設立したMVV Environment Servicesが発注した。
図 廃棄物焼却発電プラントの完成予想図
出所 JFEエンジニアリング
プラントの建設予定地はスコットランド東部、北海に続くテイ湾の北岸に位置する、ダンディー市。ゴミ処理能力は1日当たりで329トン。発電出力は11MW(1万1000kW)。イギリスの一般世帯の年間消費電力量にして、2万世帯分の電力を1年で発電する。World Energy Council(世界エネルギー会議)の2014年の調査によると、イギリスにおける1世帯当たりの年間電力消費量は平均で3941kWh。この数字をそのまま当てはめると、年間発電量は78.82GWh(7882万kWh)ほどということになる。発電時に発生する蒸気は、隣接するフランスMichelinのタイヤ工場に供給する。
図 プラント建設地となるダンディー市の位置
出所 JFEエンジニアリング
イギリスでは今でも、発生するゴミのおよそ半分を埋め立て処分しているが、政府の環境対策によって規制が厳しくなっている。その上、処分場が逼迫しているという。そこで、ゴミ焼却時の排熱も活用できる発電プラントの建設が進んでいる。ダンディー市のプラントは2020年の完成に向けて工事中だ。
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