日産自動車、東京日産自動車、日産プリンス東京販売の3社は2018年9月6日、「災害時における電気自動車からの電力供給に関する協定」を東京都練馬区と締結したと発表した。この協定により、練馬区内にある日産自動車の販売店6店舗が、災害時に試乗用の電気自動車(EV)を練馬区に無償貸与し、販売店に設置してあるEV用急速充電器を練馬区が優先的に使用することを認める。
図 日産自動車のEV「LEAF」から電力を取り出す様子
出所 日産自動車
練馬区は2018年6月に「災害時協力登録車制度」を発足させ、区民や区内の事業者を対象に登録車両を募集している。この制度は震度6弱以上の地震が発生したときに、登録車両が事前に指定してある避難拠点でEVや燃料電池車(FCV)で集結することを定めたもの。練馬区内の避難拠点には発電機と発電機用の燃料を配備してあり、およそ1日分の電力量は確保できるという。災害時協力登録車制度は、この体制に加えて緊急時の電源としてEVやFCVを活用することを狙ったものだ。
今回の協定は、日産自動車など3社が災害時協力登録車制度に協力することに加えて、区内のEVユーザーに制度の周知に3社が協力するものだ。練馬区は単独で制度の周知に努めてきたが、限界があったとし、今回の協定で制度の運用に弾みがつくと期待しているという。
ちなみに練馬区はEVとFCVを2台ずつ所有し、日常業務に使用している。2018年8月には「安全・安心パトロールカー」として日産自動車のEV「LEAF」7台を導入し、運用を始めている。今後、EVの電力を家庭用電源に変換する外部給電機器を2019年度中に区内10カ所の医療救護所に配備するとしている。