日産自動車は2017年3月29日、横浜DeNAベイスターズと新たなスポンサー契約を締結したと発表した。ベイスターズの本拠地である横浜スタジアムの3カ所に広告看板を掲出するほか、リリーフカーとして電気自動車「LEAF」を提供する。
図 オープンカーに改造し、リリーフカー仕様となった日産LEAFと、アレックス・ラミレス監督(左)、山崎康晃投手(中)、筒香嘉智外野手(右)
出所 日産自動車
日産自動車の広告看板はセンターバックスクリーン上と、左翼後方と右翼後方にそれぞれ新設した照明灯2基の支柱部に設置する。3つの広告看板のいずれかに打球を命中させた選手には、「LEAF」をプレゼントするという。日産自動車が横浜スタジアムに広告看板を掲出するのは、ベイスターズが日本一を勝ち取った1998年以来、およそ20年ぶりになるそうだ。
ベイスターズが日本一に輝いた翌年である1999年、日産自動車は経営危機に陥る。フランスのルノー傘下に入り、新たに最高執行責任者に就任したカルロス・ゴーン氏の下、企業再建に取り組んできた。その後2002年にはゴーン氏が掲げた「日産リバイバルプラン」の目標を達成し、2009年には本社ビルを中央区銀座から、日産自動車創業の地である横浜市のみなとみらい21地区に新築したビルに移転。2010年には世界初の量産型電気自動車「LEAF」を発売した。2016年には三菱自動車工業を傘下に収めるなど、着実に復活の道のりを歩んできた。
ベイスターズの日本一を見届けるように広告看板を引き上げた日産自動車にとっては、今回の再掲出には「横浜の企業として戻ってきた」という強い思いがあるだろう。また、日産自動車の星野朝子専務執行役員は「横浜DeNAベイスターズさんに優勝して頂くために戻ってまいりました」と期待の大きさを表現するコメントを残している。
2016年シーズン、ベイスターズはアレックス・ラミレス新監督の下、主砲である筒香嘉智外野手や、ルーキーながら正捕手の座を射止めた戸柱恭孝選手などの活躍により3位でレギュラーシーズンを終え、球団として初めてクライマックスシリーズに出場した。クライマックスシリーズでは読売ジャイアンツと対戦し、2勝1敗でファイナルステージに進出したが、ファイナルステージで広島東洋カープを相手に敗退した。前年まで最下位が定位置だったチームが、日本シリーズ出場まで「あと一歩」まで迫った飛躍の年となったわけだ。
そして、2017年シーズン開幕直前に、ベイスターズが前回日本一に輝いた様子を見守った、日産自動車の広告看板が戻ってきた。こうなったらベイスターズは日本一に輝いて、横浜で優勝パレードを開催するしかないだろう。パレードに出す車両も日産自動車が提供してくれるはずだ。
ゲーム終盤までリードを保ち、クローザーの山崎康晃投手を送り出せれば、ベイスターズの勝ちはほぼ動かない。ベイスターズの「勝利の方程式」だ。今年、新しいリリーフカーとなったLEAFは、何回山崎投手をマウンドに送り出すことができるだろうか? LEAFが働けば働くほど、ベイスターズは優勝、そして日本一に近づくだろう。
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