廃棄物由来の再生燃料を活用した取り組みがJ-クレジット承認
株式会社TOAシブル(以下、TOAシブル)は、廃棄物由来の再生燃料を活用した温室効果ガス(GHG)削減プロジェクトを実施し、J-クレジット制度(注1)で承認された。同プロジェクトは、廃棄物由来の燃料活用に関する新たな方法論を用いた国内初の承認案件となる。排出権・排出量の取引所を運営するCarbon EXが仕組みの構築や申請を支援した。2025年9月8日に発表した。
図1 TOAシブルのプロジェクト運営概要
出所 株式会社TOAシブル プレスリリース 2025年9月8日、「TOAシブル、廃棄物由来燃料によるGHG削減で国内初 のJ-クレジット承認」
新方法論で燃料代替によるGHG削減量を価値に
TOAシブルのプロジェクトは、同社が管理者となってコンソーシアムを運営する。具体的には、まずコンソーシアムの参加企業が化石燃料の代わりに廃棄物由来の再生燃料である同社の「BWF」を使用し、この燃料代替によるGHG排出削減量を算出する。
次に、運営管理者であるTOAシブルが、各社の削減活動の実績を取りまとめる。最終的に、TOAシブルが全体を代表してJ-クレジットの認証を申請し、クレジットを創出する。この形式により、企業が単独で申請する手間を省き、より広範な参加を促す。
認証基準には、廃棄物由来の原料から製造されたハイブリッド燃料を使用し、化石燃料や系統電力を代替することによるGHG排出削減量を算定・評価するための手法や基準を定めた「EN-S-019 廃棄物由来燃料による化石燃料又は系統電力の代替」を国内で初めて適用する。
創出したJ-クレジットは、地球温暖化対策推進法(温対法)やエネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)が定める報告義務への対応に利用できる。省エネ法の定期報告では、非化石エネルギー使用割合の報告にも活用が可能だ。そのほか、企業の自主的なカーボン・オフセット活動や、GXリーグでの排出量報告などの用途を見込んでいる。
参考サイト
株式会社TOAシブル プレスリリース 2025年9月8日、「TOAシブル、廃棄物由来燃料によるGHG削減で国内初 のJ-クレジット承認」