[3]権利保護の問題への対策
デジタル技術には、情報の再加工や再処理が良くなるという特質がある一方で、原情報とまったく同じ情報を、許可なしに複製して流通させることもできます。放送にはさまざまな権利(著作権、著作隣接権、公衆送信権など)が関わっていますので、これを守ることは重要です。このような権利の保護に関しても、デジタル技術によっていろいろな対策が取られつつあります(『デジタル放送教科書』下巻参照)。つまり、デジタル技術とはコンピュータ技術そのものですので、多様なコンピュータ分野での技術を利用できるようになるわけです。
そして、このようなデジタル情報を電波などによって遠方まで伝送するためには、デジタル変調(デジタル信号をアナログの搬送波に乗せて相手に送る方法)という技術が必要になってきます(『デジタル放送教科書』第2章参照)。
このように、基本的には同じ情報を違った方法で表現しているに過ぎないアナログとデジタルですが、デジタル化することでさまざまな利点を享受することができるため、コンピュータ技術の発展とともに大いに利用されてきています。
※この「Q&Aで学ぶ基礎技術:デジタル放送編」は、著者の承諾を得て、好評発売中の「改訂版 デジタル放送教科書(上)」の第1章に最新情報を加えて一部修正し、転載したものです。ご了承ください。