Q9:「放送」と「配信」の違いは?
インターネット放送とデジタル放送は、似たもののように思えますが、どこが違うのでしょうか?また、デジタル放送とブロードバンド(高速大容量)・ネットワークとの関係はどのようなものですか?
≪1≫コンテンツ配信サービスのさまざまな形態
基本的にそれほど意味が違うわけではありませんが、「放送」と言った場合は「放送サービス」を意味することが多く、「配信」と言った場合は「コンテンツを配る」ことを意味することが多いようです。放送サービスは、コンテンツ配信サービスの一形態ですが、すべての種類のコンテンツ配信サービスが放送サービスであるとは限りません。
一般的に、放送と言う場合には、1対多、つまり、単一の情報発信者(例:テレビ局)から多数(不特定多数:例えば家庭の受信者)の情報受信者にコンテンツを配信することを意味しています。これに対して、コンテンツ配信の形態としては、1対多(特定多数)ももちろんありますが、1対1の形態もあります(図1-9)。例えば、放送局間同士のコンテンツ配信も1対1の形態となり、通信におけるコンテンツ配信の形態とまったく同様です。
このような意味的な違いがあるために、用語としては、その場その場で使い分けられています。
※この「Q&Aで学ぶ基礎技術:デジタル放送編」は、著者の承諾を得て、好評発売中の「改訂版 デジタル放送教科書(上)」の第1章に最新情報を加えて一部修正し、転載したものです。ご了承ください。