[特別レポート]

NGN時代のDOCSIS 3.0とケーブル(CATV)戦略(2) =シスコケーブルソリューションセミナー2008=

2008/05/02
(金)
SmartGridニューズレター編集部

〔3〕CATVの挑戦 ~CATVが進むべき道-検討のヒント~

ではCATV業界にとってNGNはどのような意味を持つのか。

中川氏は図11を示して、「CATVとNTTのNGNは、コンシューマ向けトリプル・プレイ(電話、インターネット、映像サービス)市場にフォーカスしており、完全に競合している、というのが一般的な理解だ」と指摘した。

図11 CATV業界からみたNGNの脅威(クリックで拡大)

その上で、図12を示し、NGN時代にケーブル業界が直面する課題の本質は、

(1)価値の変化(プラットフォーム化)
(2)マーケットサイズ(携帯+パソコン+テレビ=1.2億人)

の2つ変化にどのように対応するかだと指摘した。

これまでに述べたように、通信事業者はこうした変化に対して、「携帯+パソコン+テレビ=1.2億人のユーザー」の巨大マーケットを獲得するための戦略をとっている。マーケットの中で大きなシェアを取れれば、アプリケーション事業者にとっても魅力となり、魅力のあるアプリケーションがさらに集まりやすい仕組みとなる。

また、通信料金は今後さらに減収していくとみられるため、ビジネス・モデルを新しいものに変えていく必要がある。通信事業者は、BTの例のように、アクセス回線を強みにプラットフォームを構築し、機能やサービスを提供する「価値」提供モデルへ移行しようとしている。

こうした現状の中で、中川氏はCATV事業者の必須の課題として、

(1)CATV業界独自のプラットフォームの構築と新たなビジネス・モデルの確立
(2)ひとつのコンテンツを多数のユーザーに届ける手段の確立などによるCATV業界のマーケットサイズ最大化

と指摘した。

そして、「NGNによる通信ビジネスの変革は、CATV業界に大きな脅威をもたらしている。だが、脅威ではあるが、ビジネスチャンスとして活かすこともできる。まずは、どのような脅威かを整理し、その上で、NGNとさらにその先を見据えた戦略が必要だ。今後のCATV業界の方向性を一緒に考えていきたい」と締めくくった。

>図12 サービスとマーケットサイズの変化と事業の発展モデル(クリックで拡大)

おわり
「第1回:NGN時代のケーブル(CATV)製品戦略とDOCSIS 3.0」
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