Q&Aで学ぶデジタル放送(10):ストリーミングとデジタル放送の関係は?

亀山 渉

2008年7月9日 0:00

このコーナーでは、最新のICT(情報通信技術)のキーワードをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。
現在、地上デジタル放送から、BSデジタル放送、CSデジタル、CS110°デジタル放送に至るまで、さまざまなデジタル放送が利用でき、多彩な放送を受信できるようになりました。ここでは、これらのデジタル放送と、今までのアナログ放送やインターネットとの相違点から、デジタル放送時代の法制度までを解説していきます。
今回は、「ストリーミング」と「デジタル放送」の関係について説明します。

Q&Aで学ぶ基礎技術:デジタル放送編(10)
Q10

Q10:ストリーミングとデジタル放送の関係は?

最近よく聞かれる、ストリーミングとデジタル放送とは関係がありますか?
A10

≪1≫ストリーミングとデジタル放送は密接な関係

両者は大いに関係があります(「改訂版 デジタル放送教科書(上)」第10章参照)。両者とも、基本的にはリアルタイムの情報転送を行う技術と言えます。

インターネットでは、従来のファイルによる情報転送技術(ハードディスクへのダウンロード)に対して、リアルタイムで動画像や音声情報をやり取りすることをストリーミングと呼んでいます。これに対してデジタル放送は、インターネットではなく、放送電波を媒体にしてストリーミングを行っていると言うことができます(図1-10)。もちろん、媒体(有線か無線か)が違うため、使用されているプロコトルは若干違っているのが現状ですが、これは媒体が提供するQoS(サービス品質)が異なっていることが大きな原因です。もし、媒体が同質なQoSを提供することができれば、両者は技術的にさらに似通ってくるはずです。

将来の技術動向を考えると、両者が同質なQoSを提供でき、技術的にだけでなくサービス的にも差がなくなってくることでしょう。「Q&Aで学ぶデジタル放送(8):インターネット放送とデジタル放送との違いは?」の答えも参照してください。


図1-10 ストリーミング方式とデジタル放送方式の比較(クリックで拡大)



※この「Q&Aで学ぶ基礎技術:デジタル放送編」は、著者の承諾を得て、好評発売中の「改訂版 デジタル放送教科書(上)」の第1章に最新情報を加えて一部修正し、転載したものです。ご了承ください。

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