セキュアな次世代工場は2017年3月から実用化へ
これまでのIoT(Internet of Things)は、パブリッククラウドを前提に、主にB to Cのビジネス領域やM2Mソリューションなどが考えられてきたが、2010年に「制御システム」をターゲットにしたサイバー攻撃(例:Stuxnetを使用)の脅威が登場してきたが、制御システム環境においては、このようなサイバー攻撃からシステムを防御するため、インターネット接続ケーブルを外して対応するしかない現状であった。
ところが、Bizホスティング Enterprise Cloudのようなセキュアに強いプライベートクラウドが国際的に利用できる環境が整ってきた。
これによって、例えば世界中の工場や施設をセキュアなプライベートクラウドで接続できるようになると、それぞれの製造現場の課題がリアルタイムに見えるようになる。さらに、AMTSS(Asset Mana-gement Technology Support System、設備の保全管理技術を支援するシステム)が実現され、現場のノウハウを活かした、TBM(時間保全管理)注25とCBM(状態保全管理)注26を組み合わせて、アセットマネージメント(設備等の資産管理)をセキュアに実現できるようになる。
このようになると、例えば部品や装置を生産している製造業では、国際的に精度の高い生産計画や平準化が可能となり、これによって、雇用の安定にもつながるなどのメリットも生じてくる。また、海外の生産システムをリモート(日本国内)から監視し、その現場の具体策の対応も可能となる。Industry 4.1Jプロジェクトはこのような内容も含めて、実践的的な実証試験が行われている。
日本版Industrie 4.0でもある「Industriy 4.1J」は、2016年3月まで、通信接続・個別性能実験および相互接続性能実験が行われ、ユーザー個別の実証実験を経て最終的には、2017年3月を目指して実用化されるロードマップである。
「Industriy 4.1J」が、製造業におけるセキュアなIoT、すなわち「IIoT」(Industrial IoT)として、モノづくり日本から世界に発信する、次世代工場(フューチャファクトリー)実現のモデルとして、そのリーダーシップが発揮されることを期待したい。
▼ 注25
TBM:Time Based Main-tenance、時間基準保全。故障の発生が予測される時期に機器を交換する設備保全手法。
▼ 注26
CBM:Condition Based Maintenance、状態基準保全。定期検査の結果やモニタリング(常時監視)の結果に基づいて、機器を交換する設備保全手法。