ソフトウェア・スイッチの動向
ONS 2015ではOpenFlowソフトウェア・スイッチの先駆者OVS(Open V-Switch)注11の対抗馬として、NTT未来ねっと研究所が中心となって開発を進めている「Lagopus」(ラゴパス)が発表された。
Lagopus自体は、約1年前の2014年7月にオープンソース化され、Interop TOKYO 2014に合わせてその発表も行われているが、今年はオープンソース化された後では初となるONSでのお披露目となった。
Lagopusは、OpenFlow1.3の仕様に準拠したソフトウェア・スイッチであり、先行者であるOVSと比べてパケット・フォワーディング(受け取ったIPパケットを別の経路へ再度送信すること)の処理性能に優れている。また、インテル(Intel)のDPDK(データ・プレーン・デベロップメント・キット)注12技術により処理速度が上昇するという特徴があるため、x86系の汎用プロセッサ(コンピュータのCPUとして長年市場の覇権を握るx86系のこと)との組み合せでソフトウェア・スイッチとしては画期的な処理性能を実現している。
Lagopusは、すでに日本のみならず、台湾市場でもユーザー・コミュニティが発足しているが、ONSなど北米でのアナウンスにより、OVSの本拠地シリコンバレーでも利用者を広めるだろう。
▼注11
OVS:Open vSwitchの略。オープンソースの仮想ソフトウェア・スイッチで、XenServer、KVM、VirtualBoxなど、仮想化プラットフォームで動作する。また、より高速な処理を行うためにつくられるOpenFlow対応のネットワーク通信機器の実装に転用されることがある。
▼注12
DPDK:インテル データプレーン デベロップメント キットの略。データプレーンライブラリーおよび最適化されたNICドライバである。参考:http://www.intel.com/content/dam/www/public/us/en/documents/presentation...