小売電気事業者のDERを遠隔制御
株式会社NTTスマイルエナジー(以下、NTTスマイルエナジー)は、小売電気事業者が保有する蓄電池などのDER(Distributed Energy Resources:分散型エネルギーリソース)の充放電を遠隔で制御するサービス「さるるコントロール」を、2025年7月1日に開始する(図1)。電力の最大需要抑制や卸電力市場価格に応じた制御により、小売電気事業者の電力コストを削減するという。2025年6月25日に発表した。
図1 「さるるコントロール」の活用イメージと電力コストの削減例
出所 株式会社NTTスマイルエナジー ニュース 2025年6月26日、「小売電気事業者向け遠隔制御サービス「さるるコントロール」の提供開始」
電力需給状況に応じた制御で各種コストを低減
さるるコントロールは、DERの充放電をエリアや時間ごとの電力需給状況に応じて遠隔制御する。これにより、計画値と実績値の差(インバランス)を抑制し、インバランスが生じた際に調整のため必要となるペナルティコストの発生を回避するという。
電力調達コストを低減するため、日本卸電力取引所(JEPX)の価格が安い時間帯には蓄電池へ充電し、価格が高い時間帯に放電する。最大需要が発生する時間帯に放電することで、ピーク時の電力使用量に応じて決まる容量拠出金の低減にもつなげるという。
スマートハウス向けの通信規格「ECHONET Lite」に対応している。そのため、同社の太陽光遠隔監視サービス「エコめがね」を設置していれば、特定の蓄電池メーカーに縛られずにDERを遠隔制御できる。
今後、NTTスマイルエナジーは、小売電気事業者のニーズへの対応、容量市場、需給調整市場でのビジネス拡大に向け、制御機能の拡充を進める。
NTTスマイルエナジーは、2016年にDER活用に関する実証事業に参画し、ノウハウを蓄積してきた。2019年には、AI(人工知能)技術による蓄電池制御機能を備えた太陽光遠隔監視サービス「ちくでんエコめがね」を開始し、これまでに1万4000件以上の導入・運用実績がある。さるるコントロールは、これらの実証事業やサービス提供の技術的知見を活用して開発した。
参考サイト
株式会社NTTスマイルエナジー ニュース 2025年6月26日、「小売電気事業者向け遠隔制御サービス「さるるコントロール」の提供開始」