シーメンスのM2M/IoTを駆使した スマートファクトリー
写真1に、シーメンスブースのスマートファクトリーにおける自動車の組み立て状況を示すが、ここではM2M/IoTを駆使して、次のようなことが実演された。
- 基本的には、生産ラインを流れる車体をロボットが組み立てて加工する形態は、従来と同じである。
- 従来の方式との大きな違いは、車体にクルマの組み立て情報などをもつICタグを装着することである。この車体のICタグと組み立てロボット(写真左のオレンジの部分)とが通信し合い、次に何をすべきかの情報がロボットに送信される。
- ロボットは、車体から送信されてくるICタグの情報に従って、指示された部品を取り付ける。
- この仕組みによって、これまでのように固定化された生産ラインに縛られた「1品種大量生産」ではなく、必要に応じた組み合わせに柔軟に対応できる「少量多品種生産」も可能となる。
- さらに自動車の各部品あるいは工場などにID(識別子)を割り当て、ドイツの各地に散在している工場全体を1つの「バーチャルファクトリー」(仮想工場)と見なせば、国全体としての部品の在庫管理や生産台数全体の最適化を図ることも可能となる。
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ドイツ政府が強力に支援する「Industrie 4.0」は、まさに革命である。今後主流となるM2M/IoT時代の生産システムとして期待され、国際競争力の強化をめざす国家戦略プロジェクトとして大きな注目を集めており、今後も目が離せない。
【インプレスSmartGridニューズレター 2014年6月号掲載記事】