メガネとアームバンドで作業者の動作を認識、日立がドイツ人工知能研究センターと共同で開発

インプレスSmartGridニューズレター編集部

2017年3月13日 0:00

日立製作所とドイツ人工知能研究センターは、工場などでの作業に伴う動作を認識する技術を開発したと発表した。

日立製作所とドイツ人工知能研究センターは2017年3月8日、ディープラーニングを活用して工場などでの作業に伴う動作を認識する技術を開発したと発表した。着用者の視点を追う機能を持つ「アイトラッキンググラス」と、筋電位を読み取るアームバンドを利用してデータを収集し、ディープラーニングで解析する技術だ。

図 アイトラッキンググラスとアームバンドで検知した信号をディープラーニングで解析する

図 アイトラッキンググラスとアームバンドで検知した信号をディープラーニングで解析する

出所 日立製作所

アイトラッキンググラスは着用者の眼球の動きから、注視している点を検知する。このデータを蓄積してディープラーニングで解析することで、「ネジ」や「ドライバー」などの物体を認識することに成功した。背景の影響や、ほかに写り込んでいる物体の影響も排除できたという。

アームバンドは筋肉の動きによって発生する電圧である「筋電位」などの微小な信号を検知し、動作に関係するものを抽出してディープラーニングで解析することで、「回す」や「押す」といった人間の動作を認識できるようになった。先述の物体を認識する技術と合わせて、「ネジを締める」という具合に作業内容をより具体的に認識することにも成功した。今回開発した技術で、工場などの生産現場で想定できる物体や身体的な動作を事前に学習することで、さまざまな作業を認識することもできたとしている。

日立製作所とドイツ人工知能研究センターは、今回開発した技術を応用して、作業手順を案内するシステムや、誤操作などの「逸脱行為」を検知するシステムを開発し、生産現場での作業を支援し、人間のミスをいち早く検知することを目指すとしている。


■リンク
日立製作所

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