ソラコムのIoT通信プラットフォーム「SORACOM」の戦略
― 世界初のマルチLPWA通信事業者を目指す ―2017年8月10日 0:00
ソラコムは、クラウドネイティブなIoT通信プラットフォーム「SORACOM」を2015年9月から提供開始しているが、その後、急速に機能強化を図り、すでに7,000社ものユーザーに導入されている。
ここでは、2017年7月4日にソラコムが発表した内容をもとに、無線ネットワークとクラウドを連携させる基盤である「SORACOM」の仕組みとともに、SORACOMが提供する10種類のA〜Jのサービスとその内容を紹介する。さらにユーザーを支援する「SPS認定済パートナー制度」、LoRaWANからSigfox、ソニーのLPWAに至るまでの多彩なLPWAと各種クラウドとの連携、LoRaWANとスカパーJSAT衛星通信の共同実証などについて紹介し、真のマルチLPWA通信事業者への挑戦を続けるソラコムの最新の活動について見ていく。
2015年4月、IoT向けのモバイル通信サービスを提供するMVNO(仮想移動体通信事業者)として設立されたソラコム(表1)は、IoT通信プラットフォーム「SORACOM」を開発し、次々にその機能強化を図ってきた。
具体的には、「SORACOM」は、
(1)セルラー(LTE/3G)やLPWA(LoRa-WANやSigfox)などの無線ネットワークと、
(2)クラウド(AWS、Azure、Google、パートナークラウドなど)
を連携させるプラットフォームである。
このIoT/M2Mデバイス向けに最適化された IoT通信プラットフォーム「SORACOM」は、
(1)2015年9月30日から、日本の顧客およびパートナーへ提供開始 注1
(2)2016年11月30日から米国の顧客およびパートナーへ提供開始 注2
(3) 2017年2月27日から欧州の顧客およびパートナーへ提供開始 注3
(4)さらに、世界の複数の通信キャリアと契約し、120を超える国と地域に対応
している。
創業から2年余にもかかわらず、すでにグローバルで7,000以上の顧客およびパートナーに導入され、ビジネスが展開されている。
「SORACOM」は、まずMVNOとしてデータ通信SIM(Air SIM)を提供し、モバイル通信とクラウドを一体化して提供する新しいプラットフォームとして開発され、その後、順次機能が強化されている。
「SORACOM」では、クラウド上でパケット交換や帯域制御、顧客管理、課金などの機能が実装されており、その機能をプログラムからコントロールできるAPI(インタフェース)が提供されている。
▼ 注1
https://soracom.jp/press/2015093003/