開発パートナーとのコラボレーションで実現したプロトタイプ
今回のプロトタイプの完成は、組織の壁を越えてコラボレーションする開発パートナーの存在がなければ実現しなかった。開発パートナーとは、次の4社である。
- ドリームスデザイン株式会社(車両設計)注1:乗り物の詳細設計やプロトタイプ製作
- 三井化学株式会社(化学素材)注2:“やわらかボディ”を構成しているクッションなどの素材提案、素材提供
- 帝人フロンティア株式会社注3(防水性の布):“着せ替え”可能な防水性の布の素材提供
- ローランド株式会社注4(サウンド):ゆっくり走るrimOnO(リモノ)が歩行者に気づいてもらうための“サウンド”作り
写真7は、三井化学が提供した素材類であるが、手前のネトロンは床材料に使われている衝撃緩和のためのポロエチレン製ネット(緑色のネット)。その左側のクリアケースに入っている黒い素材はスワエールと言われ、骨格の強靭化に使われる。「東日本大震災の際に、養殖場のコンクリートの外側にタフネスコートが塗られたものは、津波などによる衝撃にも破壊されなかったことにヒントを得、これでコーティングした材料で車のボディを守れないかということを一緒に研究している」(三井化学・星野常務取締役)。左奥に見えるのは外板のウレタンフォームで、衝撃吸収や吸音のために使われている。また写真8はテンサーと言われ、シートのクッションや受け材に使用されている。
写真7 三井化学が提供した素材類(1)左
写真8 三井化学が提供した素材類(2)右
写真9は、帝人フロンティア製の車のボディに使用されている布サンプルで、防水性があり汚れに強く、UVカットされたテント生地を使用している。
写真10は、バーハンドルのボタンで、ゆっくり走るrimOnO(リモノ)が歩行者に気づいてもらうための専用“サウンド”を実演している様子である(ローランド製)。
写真9 車のボディに使用された布サンプル(帝人フロンティア製)(左)
写真10 バーハンドルで操作するローランド製のrimOnO専用サウンド(右)
創業者の“日本発”の思いに賛同した企業の英知が結集し、新しいイノベーションを起こし、夢のプロトタイプが完成した。
▼ 注1
http://www.dreams-design.co.jp/