[[創刊4周年記念:特集1]ー 電力自由化後の新展開 ー VPP、マイクログリッドに取り組む次世代電力事業と小売電気ビジネスの行方[前編]]

360社が参入した電力小売事業とその後の新しい展開

―「ネガワット取引市場」開始に向けて活発化するVPPへの動き
2016/11/10
(木)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

壱岐島における再エネ出力制御回避アグリゲーション実証事業

〔1〕出力抑制分の電力を対象に実施

 この事業は、2016年から需給バランスの調整のために、再エネ発電事業者に出力制御指令が発令されている長崎県壱岐島(いきのしま)で、壱岐開発が運営する「壱岐ソーラーパーク(出力規模:1,960kW)」に課せられる、出力抑制分の電力を対象にして実施する(表3)。SBエナジー(SoftBank Group)は、九州電力からの出力制御指令によって抑制される予定の電力を、壱岐島内に点在する蓄電設備を利用して遠隔制御で新たな電力供給先を創出する、アグリゲーション(集約)を行う(図4)。

表3 アグリゲーション実証事業の実施体制

表3 アグリゲーション実証事業の実施体制

PCS:Power Conditioning System、パワコンあるいはパワコンディショナと言われる。太陽電池等の発電電力(直流)を系統電力(交流)に変換する機能等を備えた装置。
出所 http://www.sbenergy.co.jp/ja/news/pdf/press_20160729_01.pdf

図4 アグリゲータとしてのSB エナジーの役割(壱岐島)

図4 アグリゲータとしてのSB エナジーの役割(壱岐島)

出所 http://www.sbenergy.co.jp/ja/news/pdf/press_20160729_01.pdf

〔2〕電力供給先となる3つの蓄電設備

 電力供給先となる蓄電設備は、

 ①既設の定置型蓄電設備のほか、

 ②日産自動車が「電気自動車(e-NV200)活用事例創発事業」で壱岐市役所へ3年間の無償貸与を行っている電気自動車(EV)、

 ③壱岐島内の一般家庭に設置する蓄電設備などを使用する。

 SBエナジーは、蓄電設備の容量情報をもとに、出力制御指令の前日には必要な蓄電量を確保するための遠隔制御指令を行う。

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