LoRaWANシステムを実現する各種機器と実証例
写真1 Microchip TechnologyのデュアルバンドのLoRa無線モジュール「RN2483」の外観
〔1〕LoRaに対応する半導体チップ/モジュール
LoRaWANを実現する半導体チップやモジュール、トランシーバなどはすでに開発され、発売されている。
例えば、SemtechのLoRa無線プラットフォームにおいては、860〜1000MHz帯や137〜960MHz帯の周波数に対応したLoRa無線プラットフォームとして、SX1272〜SX1278という「SX127Xファミリー」(LoRa送受信機などを含む)が発表されている注12。
また、Microchip Technology(本社は米国アリゾナ州)からは、無線モジュール「Dual Band Long Range LoRa Module」も発表されている(写真1)。これは、「RN2483 433/ 868MHz LoRa統合型モジュール」(エンドデバイス用)というデュアルバンド(2つの周波数帯)に対応し、通信範囲が15km以上、低電力で10年以上の電池寿命を実現している。
このほか、韓国のST Microelectronics SASからは、LoRaトランシーバモデム「P-NUCLEO-LRWAN1」注13なども発表されている。
〔2〕LoRaWANシステムを実現する各種の機器
最後に、M2BコミュニケーションズおよびABIT(エイビット)からリリースされている、日本で利用可能なLoRaWANの製品群の一例および実証例を紹介する(写真2〜写真9)。
写真4 現場における超音波によるLoRa水位監視センサーの設置例と仕組み
出所 M2Bコミュニケーションズ「日本でのLaRaWANの展開」、2016年10月
写真5 LoRaモジュール搭載の「LoRa GPS Box」
POC:Proof Of Concept、概念実証。新しい概念などが実現可能であることを確認すための簡易な実験
Arduino(アルデュイーノ):マイコンボードのこと
出所 M2Bコミュニケーションズ「日本でのLoRaWANの展開」、2016年10月
写真6 LoRa GPS注14Box(位置情報収集ボックス)の構成
出所 M2Bコミュニケーションズ「日本でのLoRaWANの展開」、2016年10月
写真7 LoRaモジュールを内蔵した水位監視用デバイス
出所 M2Bコミュニケーションズ「日本でのLoRaWANの展開」、2016年10月
▼ 注12
http://www.semtech.com/wireless-rf/lora.html
▼ 注14
GPSは、例えば、牧場などで飼っているLoRaセンサーを付けた牛の群れの行動様式を知るうえで重要である。これによって、牛がどのような時間帯にどの場所にいるのか、あるいはどの程度のスピードで移動しているのかを知ることも可能となる。