ホームルータ「F-Secure SENSE」の機能と役割
図4は、開発されたホームルータ(F-Secure SENSE)の機能と役割を示した図である。サイバー攻撃に対して、クラウドサービスとスマートホームHUBの間に設置された「ホームルータ」は、次のように動作する。
図4 スマートホームへのいろいろな脅威
出所 F-Secureの資料より、2018年1月22日
- 図4の左側のクラウドがサイバー攻撃されて乗っ取られた場合は、これを検出し、ホームルータはクラウドとの通信を遮断し、サイバー攻撃が右側のスマートホームHUBに及ばないようにする。
- 右側のLEDランプや冷蔵庫などのIoTデバイス群がサイバー攻撃を受けた場合は、これを検出し、外部に情報が流出したり、外部から不正に利用されたりしないように、通信を遮断する。
- ホームルータがサイバー攻撃を受け、LEDランプや冷蔵庫などのIoTデバイス群の通信先が不正なサイトに変更された場合は、これを検出し、外部に情報が流出したり、外部から不正に利用されたりしないように、通信を遮断する。
ホームルータのセキュリティ機能
図5は、ホームルータ(F-SECURE SENSE)のセキュリティ機能である。
図5 「F-Secure SENSE」のセキュリティ機能
出所 F-Secureの資料より、2018年1月22日
具体的には、図5に示すように、スマートホームプロテクションからウィルスやボットネット(悪意のある攻撃者)の保護に至るまで、多くのセキュリティ機能を備えている。日本では2018年2月から発売される(海外では2017年5月から販売が開始されている)。
さらに、安全なWi-Fiネットワークを設定する際に、同ルータのアプリがガイドする機能があるが、このアプリは、誰にでも使いやすいという特長を備えており、F-Secure SENSEの最大の特徴の1つともなっている。
現在、家庭向けのIoTセキュリティ分野のビジネスは、シマンテック、トレンドマイクロ、ビットディフェンダー、カスペルスキーなどの大手企業をはじめ、全世界で50社以上のスタートアップ企業が市場に参入しようとしており、市場競争が激化してきている。
日本において、「F-Secure SENSE」はコンシューマ向けハードウェアとして、通信事業者(オペレータ)などと協力して、ビジネスを展開していく。
一方、法人向けのスマートビルやスマート工場などの産業用マーケットにおいては、今後、「F-Secure SENSE」のセキュリティ機能を産業用デバイス上に実装できるよう、SDKの提供が予定されている。