[クローズアップ]

「再エネ型経済社会」の創造に向けた検討状況 ≪その1≫

― 分散型エネルギーシステムの構築:FIP制度とアグリゲーターの創設 ―
2020/09/02
(水)
インプレスSmartGridニューズレター編集部

FIP制度とアグリゲーターの創設

 今回の改正法によって、2022年度からはFIT制度に加えて、電力市場と連動したFIP(Feed-in Premium)制度が導入される(図3)。

図3 FIT制度から市場連動型のFIP制度へ

図3 FIT制度から市場連動型のFIP制度へ

出所 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/018_02_00.pdf

〔1〕アグリゲーターを「特定卸供給事業者」として位置づけ

 このFIP制度の導入に伴い、FIPの対象となる再エネ電源や、家庭などの小規模需要家に導入された太陽光、EV、蓄電池、エネファームなどの、多様な分散型電源をまとめて活用し、供給力として提供するアグリゲーションビジネスの普及拡大が期待されている。

 このため、災害対応の強化や分散型電源の更なる普及拡大の観点から、分散型電源を束ねて供給力として提供する事業者「アグリゲーター」が、電気事業法上に新しく位置づけられた。

〔2〕電気計量制度の合理化

 あわせて、電気計量制度の合理化もされる予定だ。

 太陽光発電や家庭用蓄電池などの分散型電源等を活用して、家庭などがアグリゲーター等と電力取引することを促進するため、計量器の精度や消費者保護の確保をした上で、計量法の規定について適用除外とする。

 つまり、従来の計量法に基づく特定計量器のほかに、計量法の検定を受けていなくても、一定の基準を満たしたメーターも活用できるようになる。

〔3〕再エネ導入のカギとなる蓄電池の動向

 こうしたアグリゲーションビジネスや分散型の再エネ導入の鍵となるのは「蓄電池」の存在だ。今後、蓄電池導入の拡大への道筋をどのようにつけていくかがポイントとなる。

 これまで、余剰買取制度およびFIT制度によって、大手ハウスメーカーを中心に、家庭における「需給一体型モデル」注2の導入が拡大し、すでに約268万戸で約1,163万kWが導入されている。

 このような背景から、図4に示すように、2019年度のリチウムイオン電池の出荷台数は10万台(家庭用が約90%)を超えるなど、記録的な出荷となっている(政府からの導入支援あり)。このため家庭用蓄電池の平均価格は、2017年では18.8万円/kWh、2019年には13.0万円/kWhと、価格が下がってきている。(次回に続く)

図4 国内におけるリチウムイオン蓄電システムの市場動向

図4 国内におけるリチウムイオン蓄電システムの市場動向

出所 https://www.meti.go.jp/shingikai/enecho/denryoku_gas/saisei_kano/pdf/018_02_00.pdf


▼ 注2
需給一体型モデル:自家消費を中心とした需要家側の再エネ活用モデル。住宅用太陽光や蓄電池等で構成。

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