政府の「2050年カーボンニュートラル(CO2排出実質ゼロ)」宣言を受けて、大阪ガスグループの新グループブランド「Daigasグループ」は、2050年までに同グループ内のCO2排出量ゼロを目指し、2021年1月25日、「Daigasグループ カーボンニュートラルビジョン」(図)注1を発表し、ロードマップを示した。
図 Daigasグループのカーボンニュートラルへの挑戦
Daigasグループは、気候変動に対する国際的枠組み「パリ協定」が目指す地球温暖化対策の解決に向けて、再生可能エネルギー(再エネ)や水素を利用したメタネーション(Methanation)注2などによる都市ガス原料の脱炭素化、および再エネ導入を軸とした電源の脱炭素化によって、2050年にカーボンニュートラルの実現を目指す。
大阪ガスは、すでにカーボンニュートラル実現に向けて、「革新的メタネーション技術」注3や「新たな水素製造技術」などの研究開発に取り組んでいるが、今回発表されたDaigasグループの「ビジョン」によれば、2030年度の中間目標として、以下の目標を設定している(図)。
- 自社開発や保有に加えて他社からの調達も含め、国内外で500万kWの再エネ電源を普及する。
- 大阪ガスの国内電力事業における再エネ比率を50%程度にすることを目指す。
- 年間1,000万トンのCO2の削減を目指す〔同社グループおよび顧客先におけるCO2排出量(3,300万トン/年)の1/3に相当〕。
注1 https://www.osakagas.co.jp/company/press/pr2021/__icsFiles/afieldfile/2021/01/25/210125_3_1.pdf
注2 メタネーション:水素とCO2から都市ガス原料の主成分であるメタン(CH4)を合成する技術。これによって、「CO2フリーの水素」と「発電所などから排出されるCO2」を原料として合成されたメタンは、メタン合成時に発電所などから排出されるCO2を回収するため、利用時にはCO2排出量が回収量で相殺される。
注3 水素の製造とメタンの合成を同時に行うため、従来よりも高効率にメタン合成が行