電力量可視化と空調・照明の遠隔監視・制御で保守業務を効率化
アイリスオーヤマ株式会社(以下、アイリスオーヤマ)は、建物における電力利用の最適化を提案するエネルギーマネジメントシステム(以下、EMS)ソリューション「ENEverse(エネバース)」を提供している。同サービスで、「電力モニタリングサービス」「空調管理システム」「LiCONEX照明管理システム」という3つのクラウドサービス/システムを2025年6月1日に開始する。これにより、使用電力量の可視化、複数施設の空調やLED照明の遠隔監視・制御を可能にし、設備点検といった保守業務の効率を高めるという。同5月26日に発表した。
図1 「電力モニタリングサービス」の画面イメージ
出所 アイリスオーヤマ株式会社 ニュースリリース 2025年5月26日、「総合エネルギーマネジメントサービス「ENEverse」のクラウド運用開始」
電力モニタリングサービスで電気設備使用を最適化
電力モニタリングサービスは、照明や空調、冷蔵ケースなど電気系統や設備ごとの使用電力量を計測し、時間帯、曜日、気象状況ごとの使用電力量をパソコンやタブレットで把握/分析できるようにするためのもの。電気設備使用の最適化や運用改善につなげられるという。空調制御や照明制御の機能と連携することで、さらなる省エネルギー対策につなげられるという。
空調管理システムで快適性を維持しながら電力削減
空調管理システムは、温湿度センサーで室内環境の変化をリアルタイムで計測し、設定温度と不快指数にもとづいて空調の運転モードを自動で切り替える。設定温度や、時間帯や曜日ごとに空調の運転状態を自動で切り替えるスケジュール機能の設定は、遠隔から変更が可能。これらにより、室内の快適性を維持しながら、使用電力量を削減できるという。空調機は、メーカーを問わずに使用できる。
図2 「空調管理システム」の画面イメージ
出所 アイリスオーヤマ株式会社 ニュースリリース 2025年5月26日、「総合エネルギーマネジメントサービス「ENEverse」のクラウド運用開始」
アイリスオーヤマによれば、従来の空調制御は、設定温度に対し空調の能力を強制的に下げるため、快適性を配慮できないことが課題だったという。
LiCONEX照明管理システムで遠隔からの照明制御を可能に
「LiCONEX照明管理システム」は、各施設照明の点灯や調光などの運用状況を遠隔で確認するためのもの。点灯時間や照度、時間帯ごとの自動調光スケジュールの設定を遠隔から一括または個別で変更できる。施設管理者の業務負担を軽減しながら、省エネルギー対策につなげられるという。同社の無線制御システム「LiCONEX」にクラウド管理機能を追加して開発した。
図3 「LiCONEX照明管理システム」の画面イメージ
出所 アイリスオーヤマ株式会社 ニュースリリース 2025年5月26日、「総合エネルギーマネジメントサービス「ENEverse」のクラウド運用開始」
設備管理台帳機能との連携で保守業務を効率化
ENEverseでは、施設ごとの照明や空調などの台数、品番、導入時期といった設備情報をクラウド上で確認するための「設備管理台帳機能」を提供している。各設備の稼働状況を遠隔で確認できる空調管理システムとLiCONEX照明管理システムを組み合わせることで、迅速な保守対応が可能になるという。