産業用充電器・蓄電池の冷却設計を包括的に支援
パーソルクロステクノロジー株式会社(以下、パーソルクロステクノロジー)は、産業用充電器・蓄電池の電子部品から完成品までの冷却設計を包括的に支援する「熱流体解析サービス」を開始した。CAE(Computer Aided Engineering)を用いた熱流体解析により、発熱対策としての熱マネジメントのプロセスを短縮し、コスト削減につなげるという。2025年7月17日に発表した。
図1 パーソルクロステクノロジーの「熱流体解析サービス」による熱流体解析のイメージ
出所 パーソルクロステクノロジー株式会社 ニュース 2025年7月、「産業用充電器・蓄電池などの開発を短期間・低コストで実現する「熱流体解析」を用いた開発支援サービスを開始」
解析から実験まで一気通貫で支援、開発プロセスを大幅短縮
今回開始した開発支援サービスは、コンピュータ上で製品内部の熱と空気の流れをシミュレーションする熱流体解析により、試作品を製作する前に熱がこもる箇所などを特定する。これにより、従来繰り返されていた試作、評価、対策、再試作という手戻りのプロセスを短縮し、材料費や人件費といった開発コストの削減と、開発期間の短縮につなげるという。
充電器本体の新規開発に加え、外部メーカー製の充電器を格納するラックやキャビネットといった周辺設備の開発に対応している。これらの開発について、計算力学技術者資格を持つ同社エンジニアが課題をヒアリングし、プロジェクトのロードマップ作成から解析手法の構築、実機での実験までを包括的に支援する。
パーソルクロステクノロジーは、電子部品の基板などの冷却設計を支援してきた。今回、これまでの蓄積したノウハウを活かし、製品全体の冷却設計領域へと支援範囲を拡大し、熱流体解析サービスを開発した。
パーソルクロステクノロジーによれば、産業用充電器・蓄電池は、過去の事例が少なく開発手法が標準化されていない。また、高出力化に伴う発熱の対策が必要であり、そのための熱マネジメントは製品の性能と安全性を左右するが、多くの企業では熱流体解析を専門とするエンジニアが不足している。自社での人材育成や採用、新たなソフトウェア導入には時間とコストを要するため、開発のリードタイムが長期化していた。
参考サイト
パーソルクロステクノロジー株式会社 ニュース 2025年7月、「産業用充電器・蓄電池などの開発を短期間・低コストで実現する「熱流体解析」を用いた開発支援サービスを開始」