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資源エネルギー庁、「長期エネルギー需給見通し(案)」を発表

2015/06/01
(月)
SmartGridニューズレター編集部

2015年6月1日、経済産業省 資源エネルギー庁 総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会である「長期エネルギー需要見通し小委員会」は、「長期エネルギー需給見通し(案)」を発表した。

「長期エネルギー需給見通し」は、エネルギー基本計画※1を踏まえ、エネルギー政策の基本的視点である、安全性、安定供給、経済効率性、環境適合(以下:3E+S)について達成すべき政策目標を想定したうえで、(政策の基本的な方向性に基づいて)施策を講じたときに実現されるであろう将来のエネルギー需給構造の見通しであり、あるべき姿を示すものと位置づけられる。

2030年時点の望ましい電源構成を政府内で検討を進めるなか、同委員会が発表した電力の需給構造については、3E+Sに関する政策目標を同時達成するうえで、徹底した省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの最大限の導入、火力発電の効率化等を進めつつ、原発依存度を低減することが基本方針となっている。

経済成長や電化率の向上などによる電力需要の増加を見込まれるが、2030年度時点の電力需要を2013年度とほぼ同レベルまで抑えことが重視され、第一前提とされる。

また、各電源の個性に応じた再生可能エネルギーの最大限の導入が重視されるが、自然要因に左右されづらく、安定的な運用が可能な地熱・水力・バイオマスにより原子力を置き換えることを見込んでいる。これら電源については、実現可能な最大限の導入を見込んでいるが、立地面などの制約により導入数の伸びが鈍化する可能性も考慮される。

一方、自然条件によって出力が大きく変動し、調整電源としての火力を伴う太陽光・風力はについては、国民負担抑制とのバランスを踏まえ、コスト負担が許容可能な範囲で最大限導入することを見込む。

従来、国内電力生産の一翼をになっていた火力発電については、石炭火力、LNG火力の高効率化を進めつつ環境負荷の低減と両立しながら活用するが、石油火力については緊急時のバックアップ利用も踏まえ、デマンドレスポンス※2を通じたピークシフトを図ることなどにより、必要最小限を見込む。

これらの見込みにより、2030年度の電力需給および電源構造は図の通りとなっている。
 図 電力需要および電源構造の概要

これによって、東日本大震災前に約3割を占めていた原発依存比率を20%~22%程度へと引き下げる一方で、再生可能エネルギーを現状の10%から2倍となる22~24%とする方向で調整を行い、国民からの意見公募などを経て、6月までに最終案の策定を予定する。


※1:エネルギー基本計画は、エネルギー政策基本法(2002年公布・施行)に基づき、エネルギー需給に関して総合的に講ずべき施策等について、関係行政機関の長や総合資源エネルギー調査会の意見を聴いて、経済産業大臣が案を策定し、閣議決定するもの。

※2:デマンドレスポンス
[Demand Response(DR)]
内容電力需給の制御。需要家(電力の消費者:一般家庭等)側での電力消費を調整するように促すことによって、電力会社側の負荷を軽減し、最適な電力の需給バランスをとること。例えば、ピーク時に需要家の電力消費の抑制を促すことなどがこれに相当する。

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エネルギー庁

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