Googleは2016年12月6日(現地時間)、同社が2017年に全世界の拠点で消費する電力を、再生可能エネルギーで賄える見通しであることを発表した。データセンターが消費する電力だけでなく、オフィスなど、同社の施設すべてで消費する電力を再生可能エネルギーで賄う。
Googleは2007年にクレジット制度を利用して、カーボンオフセットを達成するなど、地球環境保護に力を入れている。その一環として、データセンターなどの設備で利用する電力として再生可能エネルギーを利用する取り組みを進めていた。さらに、同社のデータセンターは高温の環境でも外気で冷却できるように改良しており、データセンター単位の消費電力は一般的なデータセンターの半分になっているという。
同社は2010年に、アイオワ州にある出力114MWの風力発電所と20年に渡る電力供給契約を結んだのを皮切りに、世界3大陸にある5カ国で再生可能エネルギーによる電力の供給契約を結んできている。現在では全世界の風力発電所と太陽光発電所から合計で2.6GWの電力を購入している。これは全世界の民間企業の中では最大の量だ。
図 アメリカ、メキシコ、ヨーロッパにおける再生可能エネルギーの購入状況。2016年11月のデータ。Googleが他を引き離して首位に立っている
出所 Google
現在Googleは全世界20カ所で、再生可能エネルギーによる発電所の計画に関わっているという。そして、これらの計画によって合計で35億ドルの投資を呼び込んでおり、地権者に利益をもたらし、自治体には税収をもたらしている。
Googleによると、再生可能エネルギーを購入することは、地球環境を保護するだけでなく、企業活動としても意味があるものだという。2010年当時と比べると、風力による電力の価格は60%下がっており、太陽光による電力の価格は80%下がっている。この結果、一部の地域では再生可能エネルギーによる電力が、どの電力よりも安くなっているという。
また、燃料を燃焼させて得る電力の価格は、燃料の価格によって変動する。Googleはこの点を指摘し、再生可能エネルギーを長期供給契約で購入することは、電力購入に必要な費用を長期的に予測可能なものとし、燃料価格の変動による出費増を避けられるとしている。Googleにとって最大の出費は、データセンターを稼働させるための電力コストだ。このコストを長期的に安定させることは企業経営の安定につながる。
Googleは今後、さらに多くの契約を交わして、再生可能エネルギーによる電力を購入し続ける。その際には、同社がデータセンターやオフィスを置いている地域で再生可能エネルギーを調達する方針だ。さらに、風力発電所や太陽光発電所が24時間稼働しないことから、他種の再生可能エネルギーも購入する計画を示している。
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