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ネットワークにつながらない機器からデータを収集して処理、NECがエッジコンピューティング機器を発表

2016/10/31
(月)
SmartGridニューズレター編集部

NECは、エッジコンピューティング向けの機器「エッジゲートウェイ」を発表した。2017年3月に出荷を開始する予定。

NECは2016年10月31日、エッジコンピューティング向けの機器「エッジゲートウェイ」を発表した。2017年3月に出荷を開始する予定。価格は検討中だが、10万円以下になる見込み。ネットワーク接続機能を持たない機器と有線で接続し、機器からデータを収集するためのもの。収集したデータを整形する環境も備えており、データはEthernet端子からインターネットを通してクラウドに送信できる。工場の製造機器や店舗にある監視カメラなどへの応用を想定している。

図 NECが開発した「エッジゲートウェイ」。RS-232CやRS-485といった比較的古いインタフェースを備える

図 NECが開発した「エッジゲートウェイ」。RS-232CやRS-485といった比較的古いインタフェースを備える

出所 NEC

ネットワーク接続機能を持たない、比較的古い機器と接続するために、RS-232CやRS-485といった古いインタフェースを備えている。RS-232C端子は2つ持っており、このほかに機器との接続インタフェースとしてはUSB端子が4つある。

オプションとしてBluetooth、920MHzの特定小電力無線といった無線通信機能も提供する。無線でデータを発信するセンサー機器などとの接続を想定したものだ。無線LAN通信機能もオプションとして用意しているが、これはインターネットへの接続に使うためのものだ。

さらに、3G/LTEの携帯電話回線を使った通信機能もオプションで用意しており、インターネットにデータを送信する時の通信手段として利用できる。ただし、3G/LTEの通信機能のオプションを利用する場合は、ほかの無線通信オプションを利用できない。

図 「エッジゲートウェイ」を利用することで、工場の製造機器などから収集したデータをクラウドに送ることができる

図 「エッジゲートウェイ」を利用することで、工場の製造機器などから収集したデータをクラウドに送ることができる

出所 NEC

エッジゲートウェイは1.46GHz駆動のIntel Atomプロセッサと2GBのメモリー、4GBのストレージを搭載した小型コンピュータとも言える。OSとしてDebian GNU/Linux 8をインストールしてあり、プログラムを開発することで、データの加工や機器の制御などの処理を実行できる。4GBのストレージ領域のうち1GBが空き領域となっており、開発したプログラムを格納できる。プログラム開発環境は、エッジゲートウェイに付属する。

セキュリティ対策機能も搭載している。NECが独自に開発したもので、あらかじめ指定しておいた動作のみを許可する「ホワイトリスト」型のものだ。例えば各種インタフェースを監視し、許可を得ていない機器をつないだとしても通信を止めるといったことや、マルウェアが入り込んで、インターネットへのアクセスを始めようとしても、通信を遮断するなどといったことが可能だ。

工場での利用を想定して、過酷な環境でも動作する作りになっていることも特徴だ。ファンが壊れる可能性を想定して、冷却機構はファンレスのものになっており、それぞれのインタフェースには接続機器から伝わるノイズへの対策を施してある。さらに、最高で55℃の高温の環境でも動作する。


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