日立製作所は2017年2月2日、株式会社青山高原ウインドファームから受注した風力発電設備の設置工事を完了し、引き渡しを済ませたと発表した。青山高原ウインドファームは、三重県伊賀市東部から津市西部ににまたがる「青山高原」で風力発電事業を営んでいる。すでに合計出力15MW(1万5000kW)の「青山高原風力発電所」が稼働している。
図 青山高原風力発電所の全景
出所 青山高原ウインドファーム
今回日立製作所が工事を完了させたのは、青山高原風力発電所に隣接する「新青山風力発電所」に向けた設備。出力2MWの風力発電設備「HTW2.0-80」40基の受注を受けて建設していた。第一期工事である、18基分(合計出力44MW)の設置工事はすでに完了し、2016年3月に運転を始めている。今回は第二期工事として進めていた22基(合計出力は36MW)の設置工事が完了した。今回分の運転が始まれば、新青山風力発電所の合計出力は80MWとなり、日本最大規模の風力発電所となる。運転開始は2017年3月の予定。
図 青山高原風力発電所と新青山風力発電所の発電設備の配置図。紫色の丸印が付いた設備が、今回工事が完了したところ
出所 青山高原ウインドファーム
青山高原風力発電所と新青山風力発電所が立地している青山高原は、東西に盆地や平野が開けており大きな障害物が存在しない。そこに若狭湾から琵琶湖を経由して伊勢湾に抜ける強い風が年間を通して吹き続けるという良い条件が揃っている。国内でも屈指の風力発電に向く土地と評価する声も多い。
今回日立製作所が据え付けた風力発電設備「HTW2.0-80」は、少し下を向いた風車で吹き上げる風を捉える「ダウンウインド方式」を採用している。丘陵地など,吹き上げる風が多く吹いている土地で高い発電効率を発揮することを特徴としている。これまで、240基以上の受注実績があるという。
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日立製作所