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農地の上にメガソーラー、自然電力グループが新潟市で「ソーラーシェアリング」開始へ

2017/03/08
(水)
SmartGridニューズレター編集部

自然電力は、新潟県新潟市の農地に大規模太陽光発電所「新潟鈴木ファーム太陽光発電所」を建設する計画を発表した。

自然電力は2017年3月7日、新潟県新潟市の農地に大規模太陽光発電所「新潟鈴木ファーム太陽光発電所」を建設する計画を発表した。即日着工し、2017年5月に運転開始の予定。設計、調達、施工(EPC:Engineering、Procurement、Construction)は自然電力とドイツjuwi社の共同出資企業であるjuwi(ユーイ)自然電力が担当し、太陽光発電モジュールは中国JAソーラー社製を、パワーコンディショナーは東芝三菱電機産業システムの製品を採用した。

今回建設する新潟鈴木ファーム太陽光発電所は、農地での農作業を継続しながら、農地に約2mの柱を立てて、その上に架台を設置して太陽光発電モジュールを設置する。農業と発電を両立する「ソーラーシェアリング」と呼ぶ取り組みだ。

ソーラーシェアリングについては、一般社団法人ソーラーシェアリング協会が千葉市緑区で実証実験を実施している。この実験では、高さ3mの位置に架台を設置し、短冊のような細長い太陽光発電モジュールを横に設置し、農地に十分な光が当たるようにしている。一般的な農作物を栽培することを想定したもので、作物にとってストレスとなる強い光を太陽光発電モジュールで遮って、発育に十分な光を当てることを狙っている。

図 一般社団法人ソーラーシェアリング協会が千葉市緑区に設置したソーラーシェアリングの実証実験施設

図 一般社団法人ソーラーシェアリング協会が千葉市緑区に設置したソーラーシェアリングの実証実験施設

出所 一般社団法人ソーラーシェアリング協会

新潟鈴木ファーム太陽光発電所では、ソーラーシェアリング協会とはやや異なる方法を採用する。光があまり当たらない環境でも生育する牧草を選び、その牧草を太陽光発電モジュールの下で育成する計画だ。農場の上に設置する太陽光発電モジュールは一般的な大きさのものになる。

新潟鈴木ファーム太陽光発電所の所在地は新潟県新潟市西蒲区越前浜(にしかんくえちぜんはま)の鈴木農園敷地内。太陽光発電モジュールを設置する場所の敷地面積は約1.89ha(約1万8900m2)。ここに太陽光発電モジュールを4240枚設置する。合計出力は約1.36MW(約1360kW)。

自然電力とjuwi自然電力は、年間発電量が約1445GWh(約144万5000kWh)になると見込んでいる。一般家庭の年間電力消費量に換算すると約440世帯分になる。発電した電力は再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して全量を東北電力に売電する。売電単価は1kWh当たり36円(税別)。


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自然電力

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