オリックスは2017年3月9日、東京都八丈町と「地熱発電利用事業に関する協定」を締結したと発表した。八丈島では現在、東京電力が運営している「八丈島地熱発電所」が稼働している。しかし、この発電所は1999年3月に稼働を開始したものであり、近い将来に建て替えが必要になっている。そこで八丈町は地熱発電利用事業の事業者を公募し、応募者からオリックスを選定した。
図 現在稼働中の八丈島地熱発電所
出所 資源エネルギー庁
現在稼働している八丈島地熱発電所は、八丈島全体に安定した量の電力を供給し続ける「ベースロード電源」となっている。夏場の冷房が必要な時間など、電力需要が大きくなるときは必要に応じてディーゼル発電機を稼働させて、電力需要に対応している。八丈島地熱発電所の最大出力は3.3MW(3300kW)。資源エネルギー庁の地熱発電に関する研究会によると、地熱発電の設備利用率はだいたい70%だ。単純に計算すると年間に20.2GWh(2万235MWh)の電力を作り出していると考えられる。
オリックスは、八丈島地熱発電所と同じ場所に新たな地熱発電所を建設する。現在の計画では、最大出力約4.4MW(4444kW)の発電設備を設置し、2022年度に運転を開始する予定になっている。この発電所の運転開始に前後して、現在の八丈島地熱発電所は役目を終えて運転終了となる。
オリックスが新規に建設する発電所で発電した電力は、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を利用して、東京電力パワーグリッドに全量を売電し、八丈島全体に供給する予定。ただし、売電契約などの手続きはまだ始まっていないため、売電価格などの条件についてはこれから協議するとしている。
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