Texas Instrumentsは2017年3月8日(米国時間)、多数のセンサーと無線通信機能を内蔵する「SensorTag」シリーズの新製品「SimpleLink Wi-Fi SensorTag Kit」を発表した。SensorTagシリーズは、光センサー、デジタル・マイク、磁気センサー、温度センサー、湿度センサー、圧力センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、磁力センサー、接触した物体の温度を検知するセンサーを内蔵し、無線通信機能を持たせた製品だ。プラスチックの箱に入っており、ボタンを押すなどの簡単な操作で動作を始める。
図 Texas Instrumentsが発表した「SimpleLink Wi-Fi SensorTag Kit」
出所 Texas Instruments
これまでは、Bluetooth Low EnergyやZigbee、920MHz帯の無線通信などに対応した製品を販売していたが、今回の新製品はIEEE802.11b/g/n準拠の無線LAN通信機能を備えたものになっている。無線LANを通してインターネット上のサーバーにセンサーの計測値を直接送る機能を持つ。
各センサーの計測値はAndroid/iOS対応の専用アプリケーションで簡単に見ることができる。また今回の新製品は、使い始めに無線LANの通信設定をすると、IBMのIoT端末向けクラウドサービス「IBM quickstart」に接続し、MQTT(MQ Telemetry Transport)プロトコルで計測値を送り始める。WebブラウザでIBM quickstartにアクセスすることで、計測値の推移を見ることも可能だ。
図 各センサーの計測値はスマートフォンの専用アプリケーションで見ることができる
出所 Texas Instruments
SimpleLink Wi-Fi SensorTag Kitの外形寸法は50×67×14mm。電源は単4乾電池2本。乾電池の寿命はおよそ3カ月。すでにTexas Instrumentsの直販サイトで販売が始まっている。価格は39.99米ドル。
「IoT」という言葉は気になっているが、センサーをどう使えば便利なサービスを作れるのかが思いつかないという人は、SensorTagシリーズを入手することをお薦めする。電子部品を基盤にハンダ付けする必要も、センサー機器を制御するプログラムを書く必要もない。データを蓄積するサーバーを用意する必要もない。SensorTagシリーズが発信し続ける検出値を見ながら、SensorTagシリーズを色々なところに置いてみたり、機器にくっつけてみたりすることで、センサーと無線ネットワークを使ってどんなことができるのかを大まかにつかめるだろう。事業化に値するサービスのヒントをつかむ可能性も十分考えられる。