サンワサプライは2017年3月21日、Raspberry PiとArduinoに向けたセンサー拡張キット「800-RPSET1（GrovePi+）」と、「800-RPSET2（Grove）」を発売した。同社のオンラインショップで販売中。価格はRaspberry Pi向けの800-RPSET1が1万8333円で、Arduino向けの800-RPSET2が9074円。
Raspberry PiとArduinoの拡張端子に差し込める基盤にセンサーと接続ケーブルをセットにしたもの。基となるRaspberry PiやArduinoに基盤を挿し込み、基板上にあるコネクタにケーブルを接続して、ケーブルのもう一方にセンサーを取り付けるだけで新しいセンサーを拡張できる。
図 800-RPSET1（左）と、800-RPSET2（右）の同梱基盤
出所 サンワサプライ
どちらも、同梱の基盤は中国Seeed Development社が開発、販売しているもの。同社は「Grove」という名前で製品化している。Groveシリーズの基盤はどれも共通仕様の拡張端子を備えており、Grove規格に準拠した部品なら、ケーブルでつなぐだけで使える。Grove準拠の部品は、センサーだけでなくモノクロ液晶ディスプレイやボタンなども存在する。ハンダ付けや複雑な配線は必要ない。サンワサプライが今回発売したセットも、基盤にGrove準拠のセンサーをセットにしたものだ。
Raspberry Pi向けの800-RPSET1はGrove準拠のセンサーに、文字を2列表示できるモノクロ液晶ディスプレイやブザー、ボタンに接続に使用するケーブルを10本セットにしたもの。同梱するセンサーとしては音センサー、温度・湿度センサー、光センサー、超音波センサー。回転角センサーが挙げられる。
図 Raspberry Piに向けた800-RPSET1の同梱物
出所 サンワサプライ
Arduino向けの800-RPSET2も、センサーのほか、モノクロ液晶ディスプレイ、ブザー、ボタンなどをセットにしたもの。同梱するセンサーは音センサー、接触センサー、回転角センサー、温度センサー、光センサーだ。ケーブルはRaspberry Pi向けと同様10本添付する。小型のサーボモーターも付属する。
図 Arduinoに向けた800-RPSET2の同梱物
出所 サンワサプライ
Raspberry Pi向けの800-RPSET1は、Raspberry Piの中でも、Raspberry Pi 3 Model B、Raspberry Pi 2 Model B、Raspberry Pi Model B+/B/A+に対応する。Arduino向けの800-RPSET2はArduinoやSeeeduinoなどのArduino互換製品に対応する。
Raspberry PiもArduinoも、IoTのセンサー機器の試作に使う例が多い。本体にセンサーを付けるときは、ブレッドボードなどを拡張して配線する、あるいは基盤を作ってはんだ付けする必要があるが、今回発売になった製品を利用すればさまざまなセンサーすぐに接続することができる。さらに、取り外してほかのセンサーを付けることも簡単だ。試作機開発で、はんだ付けや基盤づくりに時間を使うと、試作の速度が明らかに落ちる。今後こういった製品が試作機開発の現場に普及していくと考えられる。
■リンク
「800-RPSET1（Raspberry Pi向け）」の販売ページ
「800-RPSET2（Arduino向け）」の販売ページ
