沖縄セルラー電話、KDDI、スカイディスク、琉球大学は2017年3月23日、宮古島のマンゴー農場でIoTの技術をマンゴー栽培に役立てる実証実験を開始すると発表した。実験期間は2017年4月~2019年3月までの2年間。場所は沖縄県宮古島市の「マンゴー農場長北ファーム」。
実験では、スカイディスクが開発した「SkyLogger」を使って、農場内の温度、湿度、照度、CO2濃度などを計測し、KDDIが構成するLoRaWANネットワークでサーバーと通信し、データを送信する。異常値を検出したら、スマートフォンに通知する機能も持たせ、いち早く対応できる体制を作る。また、Webブラウザやスマートフォンで計測値の推移を見ることも可能になる。
図 実験に使う設備の構成
出所 KDDI
マンゴーの栽培では、異常高温や低温、乾燥、高湿度、日照不足といった点が問題となり、発育不足につながるという。今回の実証実験では、以上のリスク要因を素早く検知して、対応する体制づくりにセンサーやLoRaWANネットワークが役立つことを実証する。
さらに沖縄セルラー電話は、日照不足の問題に反射シートやLED照明で対応する実験も実施する。同社は社内ベンチャー制度の一環として、植物工場を運営している。その運営ノウハウを活かす狙いだ。さらに、必要に応じてCO2を局所的に補給することで、栽培を促進させる。CO2の局所的補給は琉球大学の役目となる。
図 LED照明で日照不足に対応する実験の様子
出所 スカイディスク
この実験を通して、沖縄セルラー電話、KDDI、スカイディスク、琉球大学は、IoTの技術を農業に役立てることを目指すとしている。