ニチコンは2017年4月27日、電気自動車(EV)/プラグインハイブリッド車(PHV)/燃料電池車(FCV)内蔵の蓄電池から電力を取り出す「パワー・ムーバー」を発表した。災害時や大規模停電発生時に、自動車を「動く電源」として使うことを可能にする製品だ。8月に発売の予定。価格は65万円(税別)。
図 「パワー・ムーバー」からの電源でテレビなどの家電製品を動作させているところ(左)、「パワー・ムーバー」を運んでいるところ(右)。どちらも「パワー・ムーバー」は試作品
出所 ニチコン
パワー・ムーバーはEV/PHV/FCVに接続して、自動車が内蔵する蓄電池から家庭用100Vの電力を取り出す機器。野外で電力を供給する「Vehicle to Load(V2L)」を実現する機器だとしている。外形寸法は631×500×302mm。重量は36kg。少し大きくて重いが、上の写真のように運搬用に伸縮式のキャリー・バーとキャスターが付いている。自動車のトランクにも載せて運べるサイズだ。
パワー・ムーバーの最大出力は4.5kWで、交流100Vのコンセントを3つ備える。一般社団法人電動車両用電力供給システム協議会が制定した「電動自動車用充放電システムガイドライン V2L DC版」に準拠しており、このガイドラインに沿った設計の自動車なら接続できる。自動車との接続ケーブルは長さ2mとなっている。ニチコンは対応車種としてトヨタ自動車のFCV「MIRAI」、日産自動車のEV「LEAF」「e-NV200」、三菱自動車工業のEV「i-MiEV シリーズ」とPHV「アウトランダーPHEV」を挙げている。
図 トヨタ自動車のFCV「MIRAT」と接続したところ
出所 ニチコン
ニチコンはパワー・ムーバーを野外での使用に耐える耐候性と耐久性を持たせるとしている。非常時の電源としてだけでなく、野外イベントやキャンプなどでも電源として利用できるという。
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