トヨタ自動車は2018年1月19日、カナダ・ケベック州で一部顧客を対象に燃料電池車(FCV)「MIRAI」を販売すると発表した。同社のカナダ法人であるToyota Canadaは2017年1月から現地にMIRAIを3台試験的に導入し、短時間で水素を充填でき、ガソリン車と航続距離が変わらないというFCVの長所をアピールしてきた。さらに、カナダで運用する際に重要な寒冷地性能も十分だと判断し、顧客の理解も得られたと考え、販売を始めることになった。
図 トヨタ自動車の燃料電池車「MIRAI」
出所 トヨタ自動車
販売は2018年4月頃から開始の予定。企業、政府関係者、公的機関など一部顧客に限って50台を販売する。販売時に買い戻し額を決め、一定期間を経過したら買い戻す「フリート販売」で提供する。これは、顧客に運用してもらいながらMIRAIの性能などを検証することも目的としているためだ。
ケベック州には世界第4位の規模の水力発電所があり、再生可能エネルギーの導入も進んでいる。この点からトヨタ自動車は、潜在的な水素生産能力が高いと判断し、水素ステーションの整備を進めてきた。そして、今回のフリート販売開始に至る。
トヨタ自動車は水素ステーションの整備が比較的進んでいる日本、アメリカ、ヨーロッパでMIRAIを販売しており、2014年12月の発売から2017年末に合計でおよそ5300台を販売している。さらに、オーストラリアやアラブ首長国連邦、中国などの国でも試験的に導入して実証実験を進めているという。
今回のケベック州での販売開始はあくまで一部顧客へのフリート販売であり、正式な発売時期は未定だという。
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