GMOクラウドは2017年6月1日、移動中の自動車からエンジン回転数やバッテリー電圧など、自動車の稼働状態を示すデータを収集する実証実験を実施すると発表した。自動車販売事業者、自動車整備事業者など計20社の協力を得て、国産/輸入全メーカーの全車種(2000年以降に製造の車両に限る)を対象に、6月8日から全国各地で開始する。
GMOクラウドは、収集したデータから車両コンディションを自動的に解析し、不具合の発生時期を予知するシステムと、自動車の状態を遠隔診断するシステムを開発しており、それらのシステムの実用化を目指して、実証実験を実施することになった。そしてGMOクラウドは、これらのシステムのために、自動車のECU(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に接続して各種データを収集する「車載コネクタ」も自社で開発したという。
実験では、自動車の故障診断に向けた国際規格となっている「OBDⅡ端子」にGMOクラウドが開発した車載コネクタを接続する。車載コネクタはOBDⅡ端子を通して自動車が搭載するECUと通信し、エンジン回転数などの稼働状態を示すデータを収集する。
車載コネクタは収集したデータをBluetooth通信で運転者のスマートフォンに転送し、スマートフォンはLTE/3G通信でGMOクラウドが運営するサーバーに送信する。車両コンディションを自動的に解析するシステムと、自動車の状態を遠隔診断するシステムには、自動車整備会社がアクセスし、システムが有効に働くかどうかを検証する。
図 GMOクラウドが実施する実証実験の流れ
出所 GMOクラウド
GMOクラウドは実験の結果を受けて、バッテリー電圧やエンジン回転数など車両の稼働状態を示すデータをリアルタイムで取得し、そのデータを自動的に解析するサービスの提供を始める予定だとしている。データを自動的に解析したら、自動車の稼働状態を診断するところまで自動的に処理するサービスだ。サービス提供開始は今夏を予定しているという。
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GMOクラウド