SUBARUは2017年6月19日、同社が北海道中川郡美深町(びふかちょう)で運営している「スバル研究実験センター美深試験場」のテストコースを改修すると発表した。改修後のテストコースは、高度運転試験技術の開発に活用する。改修にはおよそ30億円を投資し、2017年下期に新しいテストコースの使用が始まる予定となっている。
図 スバル研究実験センター美深試験場の全景
出所 SUBARU
美深試験場は冬季の雪上走行試験を目的として1995年に開設した施設。総敷地面積は361ha(3.61km2)で、寒冷地走行試験コースのほかに、高速走行路などのテストコースを設置してあり、SUBARUは年間を通じてこの試験場で様々な試験を実施しているという。
SUBARUは運転支援システム「アイサイト」をさらに進化させるべく、開発を進めている。そのため、今後運転支援技術が対象としていく道路を模したテストコースを用意して、開発のスピードを上げる狙いだ。具体的には「高速道路のカーブ」「高速道路の分合流」「市街地を想定した交差点」「北米のフリーウェイを模した路面」などのテストコースを新設する。
さらにSUBARUは6月20日、同社が掲げる環境方針の具体的な活動として、美深試験場周辺の森林の整備、保全活動に取り組むと発表した。同社はこの活動を「SUBARUの森活動」と名付けている。SUBARUは2017年4月1日に社名を変更した際に、従来の「環境方針」に代わって、新たに「SUBARU環境方針」を打ち出した。SUBARU環境方針では、CO2削減活動の一環として森林保全活動に注力すると宣言している。
SUBARUの森活動では、美深試験場内とその周辺の森林を対象に、植林、間伐、自然保護などの森林整備、保全活動に取り組む。まずは美深試験場の敷地内の所有しているおよそ100ha(1km2)の森林を対象に活動を始め、地元美深町と連携を取り、活動の範囲を広げていくとしている。