アメリカProterra社は2017年9月19日、同社が開発した電気バス(EVバス)「Catalyst E2 Max」が1回の充電で1101.2マイル(約1772.2km)を走り切り、EV航続距離の世界記録を樹立したと発表した。インディアナ州にある試験走行場「Navistar Proving Grounds」で達成した。
図 Proterra社のEVバス「Catalyst E2 Max」
出所 Proterra社
従来の世界記録はドイツのオッフェンブルク工科大学の研究チームが2011年8月に樹立した1013.76マイル(約1631.5km)。しかしこのときは記録更新のみを目指した特製車両を使用していたので、記録を樹立した車両が市場に出ることはなかった。今回は、オッフェンブルグ工科大学の研究チームが開発した車両の46倍も重い、市販のEVバスで記録を更新した。
Proterra社は今回の記録更新に向けて過去3年間、連続走行記録の更新に挑戦してきた。2015年には蓄電容量257kWhの蓄電池を搭載した車両で258マイル(約415.2km)を走行し、2016年9月には蓄電容量440kWhの蓄電池を搭載した車両で603マイル(約970.4km)という記録を打ち立てている。
今回は全長40フィート(約12.2m)のCatalyst E2 Maxに蓄電容量660kWhの蓄電池を搭載して1101.2マイルを走破した。Catalyst E2 Maxは標準で440kWh~660kWhの蓄電池を搭載できるので、まさしく市販仕様のままで記録を達成したことになる。
Proterra社のCEOであるRyan Popple氏は「当社が開発しているEVバスは、1マイル走行ごとのコストの面で、従来のエンジンを利用した車両よりも優れている。大型EVバスはさまざまな用途で便利に使えるはずだ。そして、路線バスなどの公共交通の分野こそが最初にEVへの転換を果たすと考えている」と、今後の同社の進む方向を示唆するコメントを出した。
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Proterra社